• 2006/09/15 掲載

「ITを広く深く活用するための俯瞰図が必要」ニチレイ浦野社長【ITガバナンス2006レポート】

【IT戦略】ITガバナンス2006 新たなる「ITの使命」~企業感度向上のために~

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JUAS主催、ガートナージャパン企画協力の「ITガバナンス2006」が、2006年9月5~6日の2日間に渡り開催された。初日の基調講演は、ニチレイ代表取締役社長 浦野光土氏。まだまだITを使いこなすレベルに到達している経営者はいないのでは、という投げかけから講演は始まった。

広く、深くICTを活用していくための地図作りが必要

 9月5日の基調講演にはニチレイ代表取締役社長 浦野光人氏が登壇、「新たなる顧客価値の創造とIT」と題し、経営視点においてICTとどう向き合っていくかについて語った。

 浦野氏は、企業経営にとってICTが不可欠なことは誰しも分かっているが、これを総合的に把握している経営者はほとんどいないと指摘。ICTの課題は、単なる専門的な知識ではなく、総合的な知識をいかに作っていくかにあり、専門知識、専門分野を含めて「広く、深くICTを活用していくための地図」を作っていくことが大切であると述べた。


【IT戦略】「ITを広く深く活用するための俯瞰図が必要」ニチレイ浦野社長
「ITを広く深く活用するための俯瞰図が必要」
と語るニチレイ浦野社長
ITの使用価値をどうとらえるか

 ITの使用価値は限られた資源を最大限に活かすという点で、物の使用価値と変わらない。物の使用価値は使う目的や使い方によって大きく異なる。企業経営に目を向けた場合、経営者はICTの使用価値をどれくらい高めているか自信を持っていえる人はほとんどいない。これには総合的な知見が必要になる。

 そこで今一度、企業の原点に振り返り、社会における企業の役割について考えてみたい。シュンペーターの著書「経済発展の理論」によると、あるものとあるものを組み合わせて新しい結合を図る、新しい価値を創造することこそ社会を発展させていく大きな力であると著者の考えをまとめ、生活者の課題を把握し、それに対する解決方法を探していくことができれば、イノベーションは誰にでも起こすことができると語った。

 企業の役割は、「企業の強みを通じて生活者の課題を解決すること」にあり、このような役割を果たすための手段にICTがある。そして生活者の課題を考えるには、「頭の中でいくら考えていてもなかなか理解できないことがある。積極的にフィールドに出て知識を得ることが大事」とした。なぜなら生活者の課題は時代とともに変遷するからだ。食の世界でいえば、大量生産の時代から今は「健康」が最も大事なキーワードになっていることを述べた。


生活者の課題を解決する手段としてのICT

 現在、生活者の新しい課題を見つけて解決するには、ICTが不可欠である。最近は生活習慣病のメタボリックシンドロームに注目が集まっているが、食品メーカーとして生活者1人ずつの健康情報をデータベースに登録し、食事だけでなく、どのような運動をしたらいいのか、どんな運動器具を使ったらよいのかといったことを総合的に訴えていこうとした場合、すでに従来の組み合わせ(結合)では価値を創造できなくなっている。ICTという技術がなかったら健康という分野は1歩も進んでいかないと述べた。
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