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- 2006/04/11 掲載
IT活用が決め手となる全社ブランド価値向上活動のマネジメント (2/3)
BI活動のマネジメント
全社的BI活動を進めていく上で、もう一つの大切な側面となるのが、活動自体を管理、評価していくための取り組みである。BI活動は、見えない価値をコントロールしようとするものだから、その評価が難しい。総合的な指標ではブランド・エクイティ〈※注2〉やブランド・アセット〈※注3〉を外部機関などによって測定することになるが、これらの指標は株式の価値などを含む多くの経営指標や消費者調査によって企業の持つ基礎的体力として計られるため、短期的な目標設定としては適したものではないだろう。しかも測定のためのコストは相当のものである。製品開発の結果の測定を考えても、いかにライフサイクルが短くなったとはいえ、企画から市場投入まで1?3年程度の期間を要することが多い。
また担当広告会社を変更するなどしてコミュニケーションの方針を大胆に変化させたとしても、これまでの製品やブランドに対するスキーマ〈※注4〉が消費者の中に存在している以上、即効果としては現れにくい。いずれも最終的な結果は製品やサービス、コミュニケーション、CRMにおけるタッチポイントなどの複合的な要素によって成り立っているから、各部署の活動に分解して要因を理解することは難しい。
このため各部門、機能ごとにそれぞれに短期的な目標を立て、代替の変数を管理することによりルー ティンを管理することが実際的となる。また活動に要するコストと効果もきちんと見究めて行くこと が大事である。図2は、代替指標となるKPI(Key Performance Indicator:重要業績指標)の設定イメージ例である。
(図2)評価指標とPDCAサイクルのイメージ
この例では、ブランドが体現していくべきコンセプトが製品を通じてターゲットとなる顧客に伝わっ たかどうか、「コンセプト到達度」などのKPIを設定して測定するイメージである。狙った顧客セグメントと、そうではない顧客層に対して、消費者向け調査などを通じて比較してみれば、認知率の違いによってどこまでターゲットに到達したかが検証できる。このような指標と検証スキームを具体的に設けて、達成度を全体で進捗管理していくことでBI活動は単に掛け声だけに終わらず、より実際的なものとして組織に浸透していくことができるのである。 〈〈※注2〉デービット・A・アーカー教授が提唱したブランドの資産及び負債を表わす概念のこと。
〈※注3〉ブランドエクイティとほぼ同義。
〈※注4〉過去の経験などによって既成された観念を表す。
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