デロイト トーマツ サイバーセキュリティ先端研究所 松岡 潤
デロイト トーマツ サイバーセキュリティ先端研究所 研究員。国内システムインテグレータにて、セキュリティサービスの立ち上げ、拡大に従事する。主に脆弱性診断員として、各業種・業界に対し、情報セキュリティ脆弱性診断、情報セキュリティ監査および情報セキュリティリスクアセスメントサービスを提供。2014年4月よりデロイトトーマツリスクサービス株式会社に入社し、サイバーセキュリティにおけるコンサルティングやサイバーセキュリティ演習等を担当している。
IT環境の普及に伴って、サイバー犯罪が多発するとともに、その手口が高度化している。そのため、被害額も年々増加傾向にある。このような状況に対応するためには、組織としての対策レベルの底上げが重要となる。米国ではこうした状況をうけ、商務省の国立標準技術研究所(以下、NIST)より、サイバーセキュリティ・フレームワークが公開され、政府主導で重要インフラ分野の対策レベルの底上げを図ろうとしている。本稿では、サイバー攻撃の手口の高度化に伴うセキュリティ対策の再考として、このフレームワークの効果的な使い方を概説する。なお、本稿において意見に関する部分は私見であり、所属する法人の公式見解ではないことをあらかじめお断りしておく。