デロイト トーマツ サイバーセキュリティ先端研究所 村上 尚矢
デロイトトーマツ サイバーセキュリティ先端研究所 主任研究員。国内e-Discovery専門会社にて、デジタルフォレンジック調査実務を経験後、e-Discovery担当として、米国民事訴訟、当局対応、内部監査支援におけるe-Discovery対応の実務とコンサル、社内勉強会などを民間企業を中心に提供。2013年よりデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリーに入社。国内外における不正調査案件、e-Discovery対応と予防支援等に従事。
昨今、価格カルテル(独禁法違反)の摘発や製造物責任訴訟などによって、日本企業が莫大な賠償金額を支払ったり、取り締まりの対象となることが増えている。各種メディアによる報道では、賠償金額や制裁金額の大きさばかり目立つが、直面した企業はそれ以外の対応にも多額のコストと時間を費やしている。特にe-Discovery(電子証拠開示制度)対応は、その中でも大きな割合を占める重要な手続きの1つである。そこで本稿ではe-Discoveryを紹介するとともに、日本企業において備えておくべきポイントについて解説する。なお、本稿において意見に関する部分は私見であり、所属する法人の公式見解ではないことをあらかじめお断りしておく。