デロイト トーマツ サイバーセキュリティ先端研究所 岩本 高明
デロイト トーマツ サイバーセキュリティ先端研究所 主任研究員。大手システムインテグレータ、コンサルティング会社等を経て2011年に監査法人トーマツに入所。大手製造業、中央省庁、IT企業をはじめとする多様な業種・業界に対して主にITセキュリティ、セキュリティマネジメントに関するリスクコンサルティング、セキュリティインフラ設計・構築支援、および監査サービスを多数提供。CISSP(公認情報システムセキュリティ専門家)、CISA(公認情報システム監査人)、CISM(公認情報セキュリティマネージャー)等の資格を有する。
昨今、企業や団体が公開しているWebサイトへの攻撃が多発しており、大きな脅威となっている。ID・パスワードに頼ったログイン対策は限界を迎えており、アカウントリスト型の不正ログイン攻撃や会員個人情報の漏えいに関するインシデントも増加傾向にある。ソフトウェアの脆弱性は日々新しいものが発見され、これを悪用したサイト改ざんなども日々報道がされており、サイト運営者やユーザーにとって頭の痛い事態だろう。筆者もさまざまな企業の相談に乗ることが増えているが、そもそもどのようにセキュリティ強化を進めれば良いか悩まれている場面に遭遇することがある。本稿では公開Webサイトのセキュリティ強化を実現するためのポイントについて、そのための「アプローチ」に着目して概説したいと思う。なお、本稿において意見に関する部分は私見であり、所属する法人の公式見解ではないことをあらかじめお断りしておく。