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- 2015/10/29 掲載
COBOL資産を有効活用するためのレガシーマイグレーションとは?(3/3)
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コープCSネットのメインフレームマイグレーション事例
情報システム部
佐々木 斉臣氏
コープCSネットは、中国、四国の9つの地域生協が出資し事業運営を行う事業連合だ。基幹システムが動作するメインフレームのメーカー保守サポート期限が迫っていた当時の状況について佐々木氏は語る。
「2016年3月にメインフレームの保守サポートが終了するということで、コスト削減やレスポンスタイムの短縮、運用委託会社のスキルなどの課題に対する実装方法を総合的に検討した。その結果、メインフレームのリプレースに比べて2割程度のコスト削減効果が見込める点、広島情報シンフォニーの担当者が汎用機のスキルを持っていた点、最小限の新技術の習得で課題を解決できる点を考慮して移行を決めた」(佐々木氏)
マイグレーションプロジェクトは、2014年4月から開始された。基幹システムの規模は、JCLは1454本、プログラムは812本で、プログラムソースの変換だけでなくデータ移行も含めると、DBテーブルで120テーブル、ファイル476個という規模だ。
「メインプログラムはCOBOL-Sで構築されていたので、COBOL85に変換し、HPLは代替機能を作成。JCLは、AJTOOLを利用して移行を行った。また、バッチ処理が多いシステムなので、スケジュール管理はNRIのSenjuを採用した」(棚町氏)
ソフトウェアビジネス事業部
ITビジネスシステム部長
棚町 昇氏
「プロジェクトリーダーとして、メンバーが増えると情報共有が難しくなるため、進行具合や問題、対応等の共有に注力した。全ての工程に関わり、お客様や外部委託先との調整を行うことや、開発メンバーには、経験が浅いメンバーもいたため、教育しながらプロジェクトを進行する点で苦労した」(棚町氏)
こうした苦労の甲斐あって、2015年1月1日のシステム本稼働後、1月7件、2月0件、3月1件と、システム障害もほとんどなく、安定稼働を続けている。また、バッチ処理時間については、汎用機に比べ1/4から1/5に短縮された。
「導入効果としては、目標以上のコスト3割削減を実現し、処理速度の向上によって大幅な運用業務処理時間の短縮を実現した。また、運用委託会社である広島情報シンフォニーの社員のスキルも問題なく、業務を遂行できている」(佐々木氏)
棚町氏は、マイグレーションプロジェクト成功の秘訣として、「仕事として当たり前のことができているかを自分の目で確かめる」「初心を忘れない」のポイントを挙げ、講演を締めくくった。
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