- 2025/03/05 掲載
地政学的緊張、資本フローの反転引き起こす可能性も=植田日銀総裁
[東京 5日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁は5日、地政学的緊張が国境を越えた資本フローの急激な反転を引き起こすなど、金融の安定に影響を及ぼす可能性があるとして、国際的な協力を呼びかけた。
植田総裁は都内で開かれた国際通貨基金(IMF)主催のセミナーで、アジア新興市場経済の強靭性が今後、地政学的緊張の高まりによって幾つかの形で試されることになると述べた。
各国間の地政学的緊張の高まりは国境を越えた資本フローの突然の反転を引き起こす可能性があるとし、その影響は先進国よりも新興国の方が大きくなる可能性があるとの見方を示した。
また、世界経済の分断で中銀間の金融政策スタンスの乖離が拡大し、それによって市場のボラティリティーが高まり、為替レートの動きに不安定な影響を及ぼす可能性があるとした。
さらに、世界の金融市場におけるノンバンクの存在感の高まりにより、資本フローの予測可能性が低下する可能性もあると指摘した。
その上で、地政学的緊張の激化がもたらし得るこうした影響を考慮すると、アジアの中央銀行とIMFは引き続き協力を深めていくべきだと述べた。
PR
PR
PR