- 2025/01/22 掲載
中国の高級品売上高、昨年は最大20%減少 今年は横ばいか=報告書
[上海 21日 ロイター] - コンサルタント会社ベイン・アンド・カンパニーが21日に公表した報告書によると、中国での高級品売上高は2024年に前年より18―20%減り、急拡大の時代に終止符が打たれた。
中国は世界の高級品市場の約3分の1を占めている。しかし、長引く不動産危機と雇用不安を背景に中国の消費者信頼感は落ち込んだままだ。
ベインの上海事務所のパートナー、ブルーノ・ランズ氏は「(昨年は)もちろん、期待が大きく裏切られた」とした上で、「しかし、われわれは25年にはもっと良くなると信じている。上半期は減少が続く見通しだが、下半期には回復して通年では横ばいになるだろう」と予想した。
報告書によると、昨年は海外での売り上げが中国国内の落ち込みを一部相殺した。高級品を購入する中国人は、為替レートで有利になる日本での購入を特に好んだ。それでも、世界全体で見ると中国人向けの高級品売上高は7%減少した。
特に、免税品の販売で知られる中国・海南島での売り上げは29%減と大打撃を受けた。為替上有利な他の免税地域を買い物客が選んだのに加え、アリババ・グループ・ホールディング傘下の仮想商店街「天猫(Tモール)」や「TikTok(ティックトック)」の中国版「抖音(ドウイン)」といったプラットフォームに価格競争力で負けた。
ランズ氏によると、中国政府が昨年後半に打ち出した景気刺激策の効果で昨年第4・四半期には高級品の売り上げがやや持ち直した。また、中国全体で見ると依然として高級品の購入慣行が浸透していないため、長期的な見通しは明るいかもしれないと指摘した。
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