[ソウル ２０日 ロイター] - 韓国政府は２０日、輸出企業に対して過去最大規模の金融支援を実施すると発表した。トランプ米新政権の通商政策による打撃を軽減する狙いがある。

企画財政省が発表した声明によると、政府は今年、国有銀行や政府系機関を通じて輸出企業に３６０兆ウォン（２４７７億４０００万ドル）相当の政策金融を提供する。

同省は「次期米政権下で対外的な不確実性が高まり、輸出への悪影響が懸念される」との認識を示した。

また、為替変動に備えるための保険支援を昨年の１兆２０００億ウォンから今年は１兆４０００億ウォンに、見本市や代表団などの政府事業への支出を２兆１０００億ウォンから２兆９０００億ウォンにそれぞれ増額する。

同省は米国の政策変更で特に大きな影響が予想される分野として、半導体と充電式電池を挙げた。一方、防衛、原子力、造船分野は、米国との協力の余地があるとの見方を示した。

韓国の２０２４年の対米貿易黒字は前年比２５.４％増加し、過去最高の５５７億ドルを記録した。エコノミストらは、トランプ氏が貿易政策で韓国に対しても厳しい目を向けるのではないかと懸念している。