• 2025/01/12 掲載

初任給引き上げ、30万円台続々=人材獲得競争が激化―大手企業

時事通信社

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大手企業の間で、初任給引き上げの動きが加速している。業界を問わず人手不足が深刻化する中、優秀な若手を確保するのが狙いだ。大卒で月30万円台に乗せる企業も相次いでおり、人材獲得競争が一段と激しさを増してきた。

「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは今年3月入社の新卒社員の初任給を3万円増やし33万円に、年収も1割増の500万円強とする。改定は2年ぶりで、柳井正会長兼社長は「世界水準で働く意欲や能力のある優秀な人材の抜てきを強化する」と強調する。

金融機関では、東京海上日動火災保険が来年4月、転勤と転居を伴う場合の大卒で最大約41万円に増やす。三井住友銀行も3年ぶりの引き上げで来年4月入行の初任給を30万円に。大卒では4.5万円増額となる。

今年4月入社では、明治安田生命保険が33.2万円(全国転勤あり、固定残業代込み)に2年連続で引き上げ。大和証券グループ本社は1万円増、岡三証券グループは5万円増でそれぞれ30万円に上げる予定だ。

このほか三井物産や伊藤忠商事など大手商社は軒並み30万円超え。三菱商事は昨年4月入社から32.5万円に引き上げている。大成建設や西松建設、ノジマも来年度から30万円への増額を計画している。

大企業中心に継続的な賃上げに取り組む姿勢が広がる中、各社が特に若年層に手厚く対応するのは、少子化の影響で人口が少ない上、中高年層と比べて定着率も低く、人材確保が難しいためだ。

一方、低水準の給与に甘んじてきた就職氷河期世代など中高年層の賃上げ率は相対的に低いのが実情だ。第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストは、早期退職を募る企業が多いことも踏まえ、「年功序列賃金の崩壊が進んでいる」と指摘。消費の本格回復には、転職支援などで中高年層の所得を増やすことも必要だとの考えを示す。

【時事通信社】

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