- 2024/11/20 掲載
クアルコム、トランプ米次期政権を前向きに受け止め スマホ向け以外の売上増を予想
[19日 ロイター] - 米半導体大手クアルコムの幹部は19日、ニューヨークで開催された投資家向けイベントで、トランプ米次期政権を「前向き」に受け止めていると発言した。トランプ次期政権が中国からの輸入品の関税を大幅に引き上げる方針を示していることに関しては、同社の売上高の約半分を占める中国での売り上げが減ることは懸念していないと語った。
クアルコムは5年後に主力のスマートフォン向け以外の売上高を220億ドルに引き上げる計画も表明。ノートパソコンや自動車といった用途の売り上げを増やすとした。
技術ライセンス事業担当責任者のアレックス・ロジャーズ氏は、同社がトランプ前政権と「素晴らしい関係」を構築し、競合するブロードコムからの敵対的な買収案を阻止できたと表明した。
クリスティアーノ・アモン最高経営責任者(CEO)は、中国での事業競争に問題はないとの見方を示した。直近会計年度の売上高約400億ドルのうち、中国は46%を占めた。トランプ氏は中国からの輸入品に60%の関税適用を提案しており、エコノミストらは中国が米製品に独自の課税を課すことで対抗する可能性を示唆している。
クアルコムは製品の多様化を図っており、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)などと自動車用ダッシュボードや、運転支援システム用の半導体の供給契約を締結している。米マイクロソフトやパソコンメーカーとも緊密に協力しており、ノートパソコン市場で米同業のインテルやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)に対抗している。
クアルコムはまた、独自に無線モデム用半導体を開発している米アップル向けの事業が長期的に縮小する。アカシュ・パルキワラ最高財務責任者(CFO)は、新たな分野への取り組みで売り上げの減少分を補えると述べた。
クアルコムは2029年度までに自動車用半導体の売上高を80億ドル、パソコン用半導体を40億ドル、拡張現実(AR)および複合現実(MR)ヘッドセット用半導体を20億ドルにそれぞれする計画。産業用半導体と、IoT(インターネット・オブ・シングス)向け半導体の売上高はそれぞれ40億ドルになると予想している。
同社はスマホ向けの依存度が高く、取引先のアップル、韓国サムスン電子、中国の小米科技(シャオミ)向けの売上高合算は直近会計年度の売り上げの半分超を占めた。
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