- 2024/11/11 掲載
EUは競争力を強化する必要、トランプ氏勝利で=ドラギ氏
[ブダペスト 8日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)前総裁のマリオ・ドラギ氏は8日、米大統領選でのトランプ前大統領の勝利を受けて、欧州連合(EU)は米中などに追いつくため競争力を高める必要があると強調した。
トランプ氏は、EUが米国製品を十分に購入しなければ「大きな代償を払うことになる」とし、全ての輸入品に10%の関税を課すと警告していた。
ドラギ氏はEUの競争力に関する報告書を提出するのに先立ち、危機感が高まっていると指摘し、「緊迫感は1週間前よりも大きくなっている」と語った。
イノベーションの限界や官僚主義、エネルギー価格高騰、原材料の中国依存などにより、EUはグリーン化やデジタル化でライバルに遅れをとっている。
EU首脳らは8日、単一市場の深化や投資に向けた資本増強、エネルギー市場の統一などを盛り込んだ「ブダペスト宣言」に署名した。
EUのフォンデアライエン欧州委員長は、2050年までにカーボンニュートラルを達成できるよう支援する計画を就任後100日以内に示すとし、EU単一市場を拡大する提案も6月までに行うと述べた。
ドラギ氏は、EUには年間7500億─8000億ユーロの追加投資が必要だとしているが、一部のEU加盟国はその一部をEUの共通資産で賄うべきだとする考えに異議を唱えている。
ドラギ氏は、最も緊急に取り組むことは共同資金調達ではなく、単一市場と資本市場の分断に取り組むことだと指摘した。
関連コンテンツ
PR
PR
PR