• 2024/10/31 掲載

英、現労働党政権初の予算案で400億ポンド増税へ 93年以来最大

ロイター

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[ロンドン 30日 ロイター] - 英国のリーブス財務相は30日、スターマー労働党政権で初となる予算案で、過去30年間で最大規模となる年間400億ポンド(520億ドル)の増税計画を発表した。労働党に予算の「ブラックホール」を残したのは保守党だとした上で、崩壊した公共サービスを多額の支出で再建する必要があるとの考えを示した。

リーブス氏の計画では、30年までに税収は国内総生産(GDP)比38.2%と、過去最高水準に達する見込み。他の多くの欧州諸国に比べるとなお低い水準だが、足元の36.4%を上回る。

国民保険料率の雇用主側の負担分は25年4月から1.2%ポイント引き上げて15%とする。企業による拠出金の支払い開始基準の引き下げにより、5年後には年間250億ポンドの追加収入が確保されるとした。

リーブス氏はイングランド銀行(英中央銀行)の元エコノミスト。2022年にトラス首相(当時)が国債市場の混乱を引き起こした「ミニ予算」は繰り返さないとの考えを表明した。

一方、企業経営者らは、増税のほか、労働者に対する新たな保護策や最低賃金の引き上げ計画により、労働党の成長目標が損なわれる可能性があると警告。

CBIのレイン・ニュートンスミス最高経営責任者(CEO)は、「これは企業にとって厳しい予算案だ」との見解を示した。

労働党の経済政策に対する市場の動揺は当初、限定的だったものの、増税規模が明らかになったことで英中銀による来年の金利引き下げ期待が後退し、英国債価格は下落した。

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