- 2024/10/18 掲載
米地銀決算、軒並み予想超え 投資銀行手数料が預金コストを相殺
[17日 ロイター] - 米地方銀行の第3・四半期決算が、軒並み市場の予想を上回っている。企業の合併・買収(M&A)や社債発行が回復して投資銀行事業の手数料収入が急増し、預金の利払い負担増を相殺した。
地銀持ち株会社ハンティントン・バンクシェアーズ、同トゥルイスト・ファイナンシャル、同M&Tバンクが17日に発表した第3・四半期決算は、いずれも利益が市場予想を上回った。
株価上昇と景気の底堅さ、米連邦準備理事会(FRB)による追加利下げへの期待が相まって、社債の引き受けとM&Aが勢い付いた。
トレードステーションのマーケットストラテジー担当グローバル責任者、デービッド・ラッセル氏は「今後6カ月から12カ月にわたって金利が低下しそうなため、M&Aが増える可能性は非常に大きい」と話す。
今回の決算は、地銀にとって投資銀行業務の重要性が増していることを示した。投資銀行サービスはウォール街の大手金融機関の牙城だが、地銀は中堅企業のニッチな案件を掘り起こしている。
アーガス・リサーチの金融サービスアナリスト、スティーブン・ビガー氏は「クレジットスプレッドの改善と金利低下が起債を支えている一方、株価バリュエーションの高さは新規株式公開(IPO)の追い風となるはずだ」と語った。
地銀は、顧客がマネー・マーケット・ファンド(MMF)などの代替商品に流れるのを防ぐために預金金利の引き上げを迫られている。ビガー氏は、FRBの利下げが進めばそうした負担も和らぐ可能性があると述べた。
消費者がコロナ禍で積み増した貯蓄を使い果たしているのに対応し、地銀は貸倒引当金を積み増しているが、警戒を要する状況ではないと幹部らは言う。
フラッシング・ファイナンシャルのジョン・ブラン最高経営責任者(CEO)は、業界全体でみられる貸倒引当金の増加について「クレジットが広範に悪化しているというより、(コロナ禍からの)正常化が主な原因だ」と述べた。
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