• 2024/09/26 掲載

野村証券、国債先物取引で相場操縦 監視委が課徴金命令を勧告

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Miho Uranaka

[東京 25日 ロイター] - 証券取引等監視委員会は25日、野村証券が自己資金による国債の先物取引で相場操縦を行った疑いがあるとして、金融商品取引法違反で同社に課徴金を科すよう金融庁に勧告した。

監視委によると、2021年3月に野村証券の自己勘定で取引を行うトレーダーが、長期国債の先物取引において、実際には売買する意思がないにもかかわらず、大量の注文を出し、取引が成立する前に注文を取り消す「見せ玉」という手口で不正に価格を変動させ、利益を得た疑いがある。

具体的には、21年3月限月の長期国債先物についてトレーダーにより一定期間に発注したが取り消された注文が、売りで2466単位、買いで1619単位あった。監視委は「これに近い数字が見せ玉だったとみている」とし、売り買い注文の市場占有率は平均で半分程度を占めていたという。トレーダーは、売り買いを繰り返し相場を振動させてサヤをとり、148万円の売買利益をあげていたとした。

監視委は、会社の自己勘定で取引をしており利益は会社に帰属するとして、トレーダー個人ではなく野村証券を対象に課徴金勧告を出した。

野村証券は、指摘された取引以降、国債先物取引業務の見直しなどに取り組んでいるとし、勧告内容を踏まえて、法令順守体制や内部管理体制のより一層の強化・充実を図るとコメントした。

金商法は、市場で相場を意識的、人為的に変動させ、その相場をあたかも自然の需給によって形成されたものであるかのように装う相場操縦を、公正な価格形成を阻害し、投資者に不測の損害を与えるとして禁止している。今回の課徴金の額は2176万円。

国債の先物取引を巡る証券会社の相場操縦については過去に4件起きており、最近では19年に米シティグループ、18年に三菱UFJモルガン・スタンレー証券に対して金融庁から課徴金が科されている。

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