- 2024/09/24 掲載
米のバーゼル3最終化に遅れか、FRBの修正案にFDICから異論
各国は、エンドゲームと呼ばれる最終化の作業を進めており、米国ではFRB、FDIC、通貨監督庁(OCC)が共同でとりまとめにあたっている。
FRBのバー副議長は先週、2023年7月の規則案を大幅に緩和した修正案を示した。融資と経済に打撃を与えるという米銀行界の反発を受け、従来案で約20%と想定されていた大手銀行の自己資本の増加は、修正案では9%に下がった。
関係者によると、FDICの理事5人のうち、少なくとも3人が修正案を正式提案することに反対している。
FRBは11月の大統領選挙までに規則案を固めたい意向とされる。バー氏は先週、FRB理事会が修正案に賛成するとの見通しを示した。FDICのグルーエンバーグ総裁とOCCのスー長官代行は、バー氏の案は3当局の共同作業を反映したものだと指摘し、規則案の完成に全力を尽くすと述べた。
しかし、FDIC理事会での意見対立が正式提案の妨げになっている。
アナリストや業界関係者は、最終化に向けた作業が長引けば、負担の大きい規制の緩和を公約に掲げる共和党大統領選候補のトランプ氏が返り咲いた場合に規則がさらに緩和されるか、完全に棚上げされる恐れがあると指摘する。
FRBが単独、あるいはOCCと共同で動くことは前例がないことではないが、そうしたプロセスが問題視され、最終案が訴訟の対象となりやすくなるとの声も出ている。
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