- 2024/09/24 掲載
ユーロ圏輸出企業、競争力低下に直面 生産性は伸び悩み=ECB
[フランクフルト 23日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は23日、ユーロ圏の輸出企業はエネルギーコスト高と労働生産性の伸び悩みにより競争力が圧迫され、今後も苦戦を強いられるとの見通しを示した。
域内の輸出業者は着実に市場シェアを失っており、エネルギーコストの高騰が利益率を大きく圧迫し、域内工業部門の多くを深刻な不況に陥らせ、近年は一段と困難な状況に直面している。
ECBは報告書で「エネルギーコストは高止まりする可能性が高く、競争力の課題は続く。また、ユーロ圏は依然としてエネルギーを輸入に依存しているため、世界市場環境の変化に対して引き続き脆弱だ」と指摘した。
さらに、コロナ渦からロシアのウクライナ侵攻までの危機により、ユーロ圏の輸入とコスト高に対する脆弱性が露呈し、地政学的分断によって状況は一段と悪化する恐れがあると説明した。
ユーロ圏経済の生産性の伸びは米国に遅れをとっており、米国との差は近年一段と拡大している。
1995─19年の間に米国の労働時間当たり生産性は約50%(年間2.1%)増加したが、ユーロ圏では28%(年間1%)の増加にとどまった。この差はコロナ渦以降、雇用維持策やロシアとウクライナの戦争によって引き起こされたエネルギー価格高などで急激に拡大した。
ECBによると、19年第4・四半期から24年第2・四半期にユーロ圏の生産性は0.9%の伸びにとどまったのに対し、米国では6.7%上昇したと指摘した。
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