• 2024/09/20 掲載

漁業関係者、「ぬか喜びにならなければ」=歓迎も中国側の手のひら返し警戒

時事通信社

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東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に関し、日中両政府が中国による日本産水産物の輸入を段階的に再開することで合意した。ただ、東北の漁業関係者からは歓迎しつつも、「ぬか喜びにならないといい」と中国側の手のひら返しを警戒する声が多く聞かれた。

「生産者、加工業者にとって明るい兆しが見えてきた」。青森県漁業協同組合連合会(青森市)の二木春美会長は取材に対し、中国による禁輸で深刻な打撃を受けたホタテなどの輸出回復に期待を示した。もっとも、再開は中国も参加する形で国際原子力機関(IAEA)による処理水のモニタリング(監視)が拡充・実施されることなどが条件。二木氏は「問題は(輸入再開が)いつになるかだ。そこが気に掛かる」と指摘した。

福島県の相馬双葉漁業協同組合(相馬市)の40代の漁師も「明るい話題であるものの、手放しでは喜べないというのが正直な気持ち」と不信感を隠さない。輸入再開の時期が不透明な上、「中国の国民に根付いた風評が拭えなければ意味はないのではないか」と話した。

青森県の新深浦町漁業協同組合(深浦町)の島川久副組合長は「喜んで一生懸命生産しても、いつ切られるか分からない」と疑念は拭えない様子だ。

【時事通信社】

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