- 2024/09/19 掲載
午後3時のドルは小幅高142円半ば、過度な米利下げ観測剥落での買い戻し一巡
[東京 19日 ロイター] -
午後3時のドルは、前日のニューヨーク市場終盤(142.27/29円)から小幅高の142円半ばで取引されている。過度な米利下げ観測の剥落を背景としたドルの買い戻しが一巡し、あすの日銀金融政策決定会合を控えて持ち高調整の動きが強まった。
ドルは早朝に141.89円付近まで下落した後は、じりじりと上昇。時間外の米長期金利の小幅な上昇や日経平均株価が一時1000円超の上昇となるなどを受け、ドル買い/円売りが強まった。
仲値公示に向けては国内輸入企業による買いが一部入ったものの、「海外勢による買い戻しの動きが活発化している」(国内銀の為替セールス担当)とし、米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けて過剰な景気後退懸念や利下げ期待が後退したことから、ポジションを巻き戻す動きがでているという。
ドルは一時143.95円付近と9月6日以来約2週間ぶりの高値を付けた後は、上昇が一服。144円付近では国内輸出企業などによる売りが出やすく上値の重さが意識された。その後も一旦利益を確定する動きに押され、ドルは142円半ばまで上げ幅を縮小した。
SBIリクイディティ・マーケットの金融市場調査部長、上田真理人氏は米FOMCで、米連邦準備理事会(FRB)は50ベーシスポイント(bp)の大幅な利下げに踏み切ったものの、パウエルFRB議長の記者会見での発言内容を踏まえると、「バランスの取れた内容で市場に安心感を与えた」との見方を示す。
ドルはここ数日、140円前半で下げ渋るなど下値の堅さが確認できたことに加えて、米FOMCを受けたポジション調整の動きで、きょうはドルの買い戻しが強まったものの、「長期的にはドル安/円高方向に向きやすい」と、みずほ銀行の個人商品業務部マーケットライン長、鈴木健吾氏はみる。
鈴木氏によると、テクニカル的には20日移動平均線の143.50円付近と一目均衡表の基準線の144.50円付近の間では上値の重さが意識されやすい一方、139.90-140.40円付近の下値は固いという。
また、利下げという米国の方向性に変わりないほか、米大統領選挙を控える中、政治リスクの高まりも意識されやすいとみられ「ドルを積極的に買う動きは乏しい」(前出の国内銀の為替セールス担当)との声が出ている。
一方、「米金利の上昇に伴いドルが上昇する可能性がある」と、オーストラリア・ニュージーランド銀行の外国為替・コモディティ営業部ディレクター、町田広之氏は指摘する。米FOMCのドットチャートの中央値は年内2回の利下げが示されているものの、平均値でみれば年内1.5回程度。今後の米経済指標が底堅い内容となれば、利下げの織り込みが一段と剥落し、米イールドカーブが修正され、それに伴いドルは145ー147円付近まで調整が入ってもおかしくないという。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 142.57/142.58 1.1128/1.1130 158.71/158.72
午前9時現在 142.70/142.71 1.1113/1.1114 158.60/158.62
NY午後5時 142.27/142.31 1.1118/1.1119 158.18/158.24
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