• 2024/09/19 掲載

FRB、0.5%の大幅利下げ 議長「後手に回らず」 年内さらに0.5%下げ想定

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Howard Schneider Ann Saphir

[ワシントン/ニューヨーク 18日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は17─18日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.50%ポイント引き下げた。利下げは4年半ぶり。年内にさらに0.50%ポイントの追加利下げを実施する見通しも示した。

声明は「インフレ率が持続的に2%に向かっているとの確信を強めており、雇用とインフレ率の目標達成に対するリスクがほぼ均衡していると判断する」とした。

インフレは「依然としてやや高止まり」しているものの、「インフレの進展とリスクのバランスを考慮」した決定と説明。その上で、物価安定と最大雇用という「二大責務の双方」に注意を払いつつ、「目標達成を妨げるリスクが生じれば、金融政策スタンスを適切に調整する用意がある」と言明した。

パウエル議長は会合後の記者会見で「今回の決定は、緩やかな成長とインフレの持続的な2%回帰という状況において政策スタンスの適切な調整によって労働市場の強さを維持できるというわれわれの自信の高まりを反映している」と述べた。

インフレ圧力の後退は明白で、これまでに達成した進展は心強いとしつつも、インフレ圧力が決定的に弱まったとは言えないとし、インフレの目標回帰の「任務が完了したとは言っていない」と述べた。

さらに、FRBが利下げに関し「後手に回っているとは考えていない」とし、これまでの忍耐強い対応がインフレの確実な鈍化という形で実を結んだという認識を示した。

今後の利下げの道筋については、FRB当局者による見通しは「緊急の行動を要することは示唆していない」とし、今後入手されるデータが金融政策の方向性を決定し、必要に応じ利下げペースは加速、もしくは減速するという見解を示した。

また、7月の米雇用統計で労働市場の軟化が示されていれば、7月下旬のFOMCで利下げに着手していた可能性があったと述べた。パウエル議長は「(前回の)会合前に7月の雇用統計を入手していれば、利下げしていたかと問われれば、おそらくそうしていただろう」とした。

経済情勢については、「経済成長は堅調で、インフレは低下し、労働市場は引き続き非常に堅調な水準」とし、景気低迷に向かう兆候は見られないと述べた。

アネックス・ウェルス・マネジメントのチーフエコノミスト、ブライアン・ジェイコブセン氏「FRBは大々的に利下げ休止を終わらせた。0.50%ポイント利下げと、年内の0.50%ポイント追加利下げ予想は強いシグナルだ。物議を醸す決定だ」と述べた。

FF金利の誘導目標は今回の決定で4.75─5.0%となった。全会一致ではなく、11対1で決定された。ボウマン理事が0.25%ポイント利下げを主張し、反対票を投じた。

同時に公表したFRB当局者による金利・経済見通しでは、年内にさらに0.50%ポイント、2025年に計1%ポイント、26年には計0.5%ポイントの追加利下げを見込んだ。

26年末時点の政策金利は2.9%で中立金利に達すると予想され、前回見通しの2.8%から上昇した。

24年の成長率見通しは2.0%増と、前回6月時点の見通しの2.1%増から下方修正された。

FRBが重視するインフレ指標であるコア個人消費支出(PCE)価格指数見通しは、24年が2.3%、25年が2.1%。24年および25年の失業率見通しはともに4.4%となった。

今回のFOMCは11月の米大統領選前の最後の会合となる。

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