- 2024/09/17 掲載
24年全国基準地価は+1.4%、3年連続上昇 91年以来の伸び率
[東京 17日 ロイター] - 国土交通省が17日に発表した7月1日時点の都道府県地価調査(基準地価)では、全国の住宅地・商業地を含む全用途平均は前年比1.4%上昇し、3年連続プラスとなった。景気回復を受けて全体的に上昇基調が強まっており、伸び率は1991年(3.1%)以来の大きさとなった。
用途別では、全国平均で商業地が同2.4%上昇した。3年連続のプラスで、前年の1.5%から上昇率が拡大した。主要都市で店舗・ホテルなどの需要が堅調、オフィスについても空室率の低下傾向や賃料の上昇傾向を受け、収益性が向上し地価が上昇している。インバウンドの回復で浅草地区が含まれる東京都台東区や、富士山に近い山梨県富士河口湖町など観光地の地価も上昇した。
地価が最も高かったのは、19年連続で東京都中央区銀座2丁目の「明治屋銀座ビル」だった。1平方メートルあたり4210万円で、前年から5.0%上昇した。
全国平均で住宅地は同0.9%上昇。3年連続プラスで、前年の0.7%から上昇率が拡大した。東京23区など大都市圏の中心部で高い伸びがみられる。人気のリゾート地では、別荘やコンドミニアム、移住者用住居などの需要が増えている。
工業地は同3.4%上昇し、7年連続のプラスとなった。大手半導体メーカーが進出する地域では関連企業の工場用地などの需要が強い。eコマース市場の拡大で高速道路インターチェンジ(IC)や幹線道路などへのアクセスが良い物流施設用地の需要も引き続き旺盛となっている。
全用途で上昇率が最も大きかったのは熊本県大津町の商業地。2か所が同率で33.3%上昇した。近隣で半導体受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC) の工場建設が進んでいる。このほか、次世代半導体の国産化を目指すラピダス(東京都千代田区)が進出する北海道千歳市周辺では住宅地、商業地のいずれも大きく上昇した。
基準地価は各都道府県が毎年7月1日における調査地点の価格を調査・公表し、国土交通省が全国状況を取りまとめている。今回の調査地数は約2万1400地点。国交省が実施する地価公示(毎年1月1日時点の調査)と相互補完的な関係にある。
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