- 2024/08/09 掲載
中国7月CPIは伸び加速も天候が影響、内需低迷 PPI下落続く
[北京 9日 ロイター] - 中国国家統計局が9日発表した7月の物価統計は消費者物価指数(CPI)の伸びが加速する一方、生産者物価指数(PPI)の下落が続いた。CPIの加速は天候による食品供給への影響が要因で、基調的な消費動向は依然として弱く、政策の課題を浮き彫りにした。
CPIは前年比0.5%上昇と6月の0.2%から伸びが加速。ロイターがまとめた市場予想(0.3%上昇)を上回った。
前月比でも0.5%上昇。市場予想は0.3%上昇、6月は0.2%下落していた。
変動の大きい食品とエネルギーを除くコアインフレ率は前年比0.4%で、6月の0.6%から鈍化した。
統計局の担当者は、一部地域における7月の高温と降雨が食品価格を押し上げ、前月比での上昇転換の一因になったと指摘した。
食品価格は6月の前年比2.1%下落から7月に横ばいに転じた。前月比では1.2%上昇。6月は0.6%下落していた。
エコノミスト・インテリジェンス・ユニットのシニアエコノミストは「食品と食品以外のCPIには大きな差がある。他の物品・サービスではインフレが見られず、国内需要が上向いている兆しはない」と指摘した。
PPIは前年比0.8%下落。下落率は6月から変わらずとなった。市場予想は0.9%下落だった。
中国指導部は先月、今年の経済成長目標を達成するための景気刺激策で従来のインフラ整備ではなく、消費者に照準を合わせることを示唆した。
消費押し上げに向け、1兆元の超長期特別国債のうち約1500億元(209億ドル)を中古の家電製品や自動車、電動自転車などの買い替え補助に充てる方針も示した。
しかし、そうした取り組みは国内総生産(GDP)のわずか0.12%に過ぎず、不十分だとアナリストは指摘する。
ゴールドマン・サックスはリポートで、「今後、PPIの下落は徐々に緩和し、CPI上昇率は今後数カ月間、比較的低い水準にとどまる見込みだ」と述べた。
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