- 2024/07/18 掲載
米利下げ「近づく」、先行き不確実性から開始時期は不明=ウォラーFRB理事
[ニューヨーク 17日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は17日、FRBによる利下げが「近づきつつある」と言明した。ただ、経済の先行き不確実性を踏まえ、開始時期は不明という認識を示した。
ウォラー理事は「足元のデータは『ソフトランディング』達成と見合った内容になっている」とし、「こうした見方を裏付けるために今後数カ月のデータに注目する」と述べた。
その上で「最終目的地に到達したとは思わないが、政策金利の引き下げが正当化される時期に近づいていると確信している」と言明した。
ただ、金融政策のラグ(遅延)やマクロ的な観点を考慮すると「9月、11月、12月のいつ利下げするかはあまり重要ではない」と指摘。利下げのタイミングは市場にとって重要だが、FRBはむしろデータが政策に何を求めているかに焦点を当てるべきとした。
またインフレが緩和する中、雇用市場のバランスが大幅に改善し、経済成長が「より緩やかなペース」で進んでいるという見解も示した。
FRBが今後数カ月に直面する可能性のあるシナリオは3つあるとも指摘。最も「楽観的な」シナリオは、「高い確率ではない」もののインフレ圧力が着実に低下し続けるというもので、そうなれば「そう遠くない将来に利下げが行われると予想できる」とした。
より可能性の高いシナリオでは、インフレの鈍化がより不均一となり、2%の目標に持続的に回帰しているかどうかが疑問視されることで、「近い将来の利下げはより不確実となる」と述べた。
最後に、インフレ再燃を最も可能性が低いものの、あり得るシナリオに上げた。
雇用市場の状況は、適度な雇用の増加という「好状況にある」と楽観的な認識を示し、FRBの二大責務の一つである最大雇用の達成については「ソフトランディングを達成できる可能性は十分にある」と述べた。
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