- 2024/07/15 掲載
中国新築住宅価格、6月は9年ぶり大幅下落 業界底入れ見えず
[北京 15日 ロイター] - 中国の6月の新築住宅価格は約9年ぶりの大幅な下落率を記録した。不動産投資も減少。政府の支援策にもかかわらず、2021年から低迷する不動産部門の底入れが見えない状況だ。
中国国家統計局のデータに基づくロイターの計算で6月は前年比4.5%下落。5月(3.9%下落)から下げ幅が拡大した。
前月比は5月と同じく0.7%下落だった。
不動産仲介を手がける中原地産のアナリスト、張大偉氏は「不動産セクターの需要と供給の構造は根本的に逆転した。(市場は)政策の効果に過度な期待を抱く必要はない」と指摘。
「今後、このセクターが全面的に上昇する可能性は低い」と述べた。
1─6月の不動産投資は前年同期比10.1%減と、1─5月の減少幅と同じだった。
1─6月の不動産販売(床面積ベース)は前年比19.0%減。1─5月は20.3%減だった。
1─6月の新規着工(床面積ベース)は前年比23.7%減。1─5月は24.2%減だった。
中国の不動産デベロッパーが1─6月に調達した資金は22.6%減少。1─5月は24.3%減だった。
最近導入された支援策は主要都市では需要を押し上げる見込みだが、小規模都市では過剰在庫や消費者心理の冷え込みが続いており、地域経済活性化に向けたさらなる刺激策実施が急務であることが浮き彫りになっている。
ムーディーズ・アナリティクスのエコノミスト、ハリー・マーフィー・クルーズ氏は「最近の支援措置は正しい方向への一歩だが、不動産業界の問題の深刻さがそれ以上だ」と指摘。当局は年内、不動産市場の落ち込みに歯止めをかけ、国内支出の促進に取り組むだろうが、どちらも大々的な介入が必要だと述べた。
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