- 2024/06/11 掲載
部品会社、販売店に広がる不安=トヨタとマツダ、認証不正で生産停止
認証不正でトヨタ自動車とマツダが6日から違反車種の生産を停止したことを受け、取引先の部品メーカーや販売店に不安が広がっている。国土交通省は両社への立ち入り検査の結果などを精査中で、生産再開は見通せない。多くの企業が部品生産や新車受注の停止を余儀なくされている。
トヨタは人気車種「ヤリスクロス」を含む3車種の生産を少なくとも28日まで停止する。マツダも「マツダ2」など2車種の生産を当面見合わせる。影響を受ける部品メーカーは間接的な取引も含めるとトヨタが1000社以上、マツダが2000社程度に上る。
名古屋銀行の調査では、数%の減収を見込んでいる部品メーカーもあり、同行は資金繰り支援を検討する。取引先企業によると、トヨタは減収分について「全額支払う」と説明している。
自動車プレス部品のフタバ産業は、岩手県内の子会社でヤリスクロスの車体部品の生産ラインを28日まで止める。トヨタの3車種向けにコンプレッサーなどを納入する豊田自動織機は他車種向け部品の生産で通常体制を維持しているが、生産再開は不透明で「影響については何とも言えない」(広報)と話した。
マツダが生産停止した2車種の内装品を手掛ける広島県内の部品メーカーは「詳しい状況が分からず、再開時期を早く知りたい」と訴えた。
国交省が安全性を確認するまでは車を顧客に届けることもできない。5日からトヨタ製3車種の受注を停止している愛知県内の販売店は「ヤリスクロスは人気があるので、売り上げへの影響は大きい」とこぼす。同県内の別のディーラーも「注文済みで納車を楽しみにしているお客さまの分も止めている」と心苦しそうに語った。
【時事通信社】 〔写真説明〕トヨタ自動車系列の販売店=10日、愛知県内
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