- 2024/06/06 掲載
独財務相が大型所得減税を計画、インフレによる国民負担軽減へ
[フランクフルト 5日 ロイター] - ドイツのリントナー財務相は5日、物価高に見舞われている国民の痛みを和らげる目的で、2026年までに総額230億ユーロ(250億ドル)規模の所得減税を実施する計画を表明した。
ドイツの累進課税所得税制は物価調整が自動的に行われず、インフレで課税負担が増大する特徴があり、これを相殺するための措置。
リントナー氏は「税制をインフレに対応させることは単純に公平性の問題だ。国家がインフレの勝ち組であってはならない」と述べた。
ドイツは2022年、ロシアのウクライナ侵攻をきっかけとした物価高騰の悪影響を和らげるため、23年と24年に課税調整を通じて補償を提供する法令を可決させた。今回リントナー氏は、所得税制の修正によって25年と26年の国民負担も減らすことを目指している。
財務省筋によると、この計画で26年までに非課税控除枠が3段階で拡大し、所得税の最高税率を適用する収入水準が引き上げられる。26年からは今年に比べて負担軽減規模は約133億ユーロ増えるという。
一方でリントナー氏は財政タカ派としても知られ、ドイツの財政運営の柔軟性は一層低下する可能性がある。同氏はこれまで連立パートナーの社会民主党や緑の党からの支出計画の受け入れを拒んできたこともあり、両党からは大規模所得減税への疑問や不満の声が出ている。
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