- 2024/06/06 掲載
資産のトークン化、想定ほど進まず 銀行間の異なるシステムが課題
[アムステルダム 5日 ロイター] - 金融機関は債券や通貨などをトークン化することで取引コストを引き下げ、効率性を高めることを目指している。ただ、こうした取り組みは、銀行間の異なるネットワークシステムなどが障害となり、さほど進んでいない。
HSBCとノーザン・トラストは昨年、2030年までに全資産の5─10%がトークン化されるとの見通しを示した。
一方、今週開催されたフィンテック関連の会合で金融機関の幹部らからは、資産のデジタル化への移行は想定以上に遅いペースで進んでいるとの指摘が出た。
シティバンクの貿易・財務ソリューション事業のライアン・ラグ氏は「マネーマーケットや債券で実験を行ってきたが、現時点で稼働して規模を拡大しているものは何もない。稼働しているアプリケーションはトークン化された預金だけだ」と述べた。
銀行幹部らによると、ブロックチェーン(分散型台帳)を介して伝統的な資産を取引する際の主な障害の一つとして銀行がそれぞれ独自のネットワークを構築していることを挙げる。
BNPパリバのデジタル資産プラットフォーム、アセットファウンドリーの責任者、ジュリアン・クラウス氏は「投資家は数十もの異なるネットワークに接続したくないだろう」と述べ、銀行間でプラットフォームが統一されていないことが導入の遅れにつながっているとの見方を示した。
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