- 2024/05/23 掲載
EU証券監督機関、資本市場同盟推進に向け権限強化求める
[ロンドン 22日 ロイター] - 欧州連合(EU)の欧州証券市場監督機構(ESMA)は22日、資本市場同盟を進めるための提言をEUに提出した。国境を越えて事業を展開する金融機関や取引所、暗号資産会社などを直接監督する権限を求めた。
EU首脳は4月、資本市場同盟のさらなる進展を支持したが、ESMAの監督権限の拡大については意見の相違が残っている。
ESMAのロス長官は「大胆な変革が必要という緊急性と政治的意識のレベルが高まっている。監督は考慮すべき側面の一つだ」とロイターに述べた。
「大半の金融機関は引き続き国家レベルで監督されることになる」と説明した。
欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は資本市場同盟について、「大胆なトップダウン」アプローチが必要と指摘。国境を越えた取引や競争を促進するための単一の規制や、システム上重要な金融機関を直接監督するためのESMAの権限拡大などに言及した。
ESMAのイベントで「これにより金融統合を支えるEUの公平な競争条件が促進されるとともに、国境を越えて資本市場が成長・発展する中でリスクを見落とす事態が回避される」と語った。
ESMAはまた、EU全体の一貫性を確保するために市場の混乱時などに金融規則を一時的に停止する権限も求めた。
域外の仮想通貨企業などがEU全域で活動する認可(パスポート)を得るために、最も有利な規制や条件を提供する国を選ぶ「フォーラムショッピング」を阻止する「ゲートキーパー」の役割をESMAが担うべきとした。
ロス氏は「パスポートを取得するための入り口が一つになるということになり非常に理にかなっている」と語った。
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