• 2024/04/07 掲載

髪のお手入れ、広がる高価品=美容意識高まり、メーカー競争激化

時事通信社

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シャンプーやトリートメントなどのヘアケア商品で高価格帯への移行が進んでいる。性別を問わず幅広い世代で美容意識が高まっていることなどを背景に、付加価値の高い1400円以上(470ミリリットル前後)の商品が人気だ。商機に乗り遅れまいと、大手メーカーも参戦し、競争が激化しつつある。

民間調査会社インテージなどによると、1400円以上の「ハイプレミアム市場」の2023年売上額は1241億円とヘアケア市場全体の4割を占めた。17年の417億円から約3倍に成長した。

高価格帯化への火付け役となったのが、化粧品や美容家電の企画・開発などを手掛けるI―ne(アイエヌイー)。同社が15年に発売した「ボタニスト」シリーズは1500円以上だが、泡立ちなど使用感の良さが受けて急速にシェアを拡大した。睡眠中の髪ダメージを軽減する「ヨル」シリーズもヒット。同社は「ボタニスト以降、1000円以上のシャンプーに参入するブランドが増えた」(広報)と指摘する。

高価格帯に押され、800円未満の商品は縮小傾向だ。インテージによると、17年に1463億円だった売上額は23年には1058億円と3割減少。こうした状況に大手は危機感を強める。

花王は、ヘアケア市場全体でトップシェアを誇るが、ハイプレミアム市場では出遅れた。3月に生炭酸シャンプーなどを1700円以上で展開するブランド「メルト」を新設。今秋から来年にかけ、第2、第3の新ブランドを投入する。内山智子ヘアケア第一事業部長は「ターゲットを絞り、短期間でブランドを開発、拡張していく」と巻き返しを狙う。

クラシエ(東京)は昨年3月、1400円以上のブランド「ココンシュペール」をリニューアルした。大手が高価格帯市場の開拓に本腰を入れることで、品ぞろえが拡充されそうだ。

【時事通信社】 〔写真説明〕各社が展開する1400円以上の高価格帯シャンプー

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