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- 2022/06/10 掲載
東南アジア「ユニコーン企業」まとめ2022:グーグルが注目する投資分野はこれ
東南アジアで急増するユニコーン企業
かつて希少な存在であったユニコーン企業(評価額が10億ドル以上で、上場をしていない企業)だが、今や世界各地に出現する存在となり、希少性はなくなりつつある。CBInsightによると、世界のユニコーン企業数は1,000社以上に上るという。ユニコーン企業の国籍は、これまで米国や中国が大半を占める状況であったが、他の国からも急増しており、多様化の様相だ。
評価額の世界ランキングを見ると、多様化の流れを感じることができる。トップ10内に、スウェーデンのKlarnaが456億ドル(約5兆8,255億円)で5位、オーストラリアのCanvaと英国のCheckout.comが400億ドル(約5兆1,101億円)で6位、同じく英国のRevolutが330億ドル(約4兆2,518億円)で10位にランクインしている。
ちなみに現在の評価額トップ10は、1位中国バイトダンス(評価額1,400億ドル)、2位米スペースX(1,003億ドル)、3位中国SHEIN(1,000億ドル)、4位米Stripe(950億ドル)、5位Klarna、6位豪Canvaと英Checkout.com、8位米Instacart(390億ドル)、9位米Databricks(380億ドル)、10位英国Revolut(330億ドル)となっている。
このユニコーン企業リストで興味深いのは、これまで見ることのなかった東南アジア国籍の企業が多数リスト入りしていることだ。
東南アジア最大のユニコーン企業は、インドネシアのJ&T Express。ロジスティクス系のスタートアップで、評価額は200億ドル(約2兆5,550億円)に上る。ユニコーン企業となったのは、2021年4月だ。このほか、同国からオンライン旅行のTraveloka(評価額30億ドル)、Eコマース企業Akulaku(20億ドル)、フィンテック企業Xendit(10億ドル)、Ajaib(10億ドル)など複数のユニコーン企業が誕生している。
インドネシアの隣シンガポールからは、光ファイバーインフラ企業HyalRoute(35億ドル)、フィンテック企業Coda Payments(25億ドル)、AI企業Advance Intelligences Group(20億ドル)などがユニコーン企業としてリスト入りしている。
一方、タイではフィンテック企業Ascend Money(15億ドル)、ロジスティクス企業Flash Express(10億ドル)、ベトナムではNFTゲームAxie Infinityで知られるSky Mavis(30億ドル)、フィンテック企業MoMo(22億7,000万ドル)、マレーシアではEコマース企業Carsome(17億ドル)、フィリピンではフィンテック企業Myntがユニコーン企業となるなど、新興市場発のユニコーン企業が増加している。
【次ページ】東南アジアのベンチャー投資は“史上最高額”に
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