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  • 2021/02/16 掲載

ABC分析とは何かをマンガでもわかりやすく解説、目的・やり方と手順、パレート図作成方法【活用事例あり】

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ABC分析とは、売上高・コスト・在庫などの指標を大きい順にランク付けし、優先度を決め管理するための分析フレームワークだ。この記事では、ABC分析の目的とメリット、基本的な分析の進め方について解説する。
企画:ビジネス+IT編集部、構成・監修:時田信太朗

企画:ビジネス+IT編集部、構成・監修:時田信太朗

テック系編集者/メディア・コンサルタント
外資系ITベンダーでエンジニアを経てSBクリエイティブで編集記者、スマートキャンプでボクシル編集長を歴任。2019年からフリーランスで活動。メディアコンサルタントとしてメディア企画プロデュース・運営に携わる。

以下の動画ではマンガでわかりやすく解説しています


ABC分析とは何か?

 ABC分析(パレート分析)とは、パレートの法則に基づいた分析フレームワークで、売上高・コスト・在庫などの指標を大きい順にランク付けし、優先度を決めて管理するためのものだ。ABC分析は別名「重点分析」とも呼ばれ、重要度の高いものからA、B、Cに分類し管理する。もともとは在庫管理で行われていた分析方法だが、やがて品質管理、得意先管理などにも取り入れられるようになった。

●ABC分析のベースにある「パレートの法則」
 パレートの法則とは「売り上げの8割は全体の2割の商品で生み出している」という考えだ。イタリアの経済・社会学者V・パレートによって唱えられた法則であり「少数要因によって大勢は左右される」という社会現象を法則として定義したものである。その特徴から「80:20の法則」または「ばらつきの法則」とも呼ばれる。

 ABC分析は、このパレートの法則の考え方をもとにした管理手法だ。ABC分析では売上高の割合を累積の売上高の割合が70%以下の商品群をA、71%~90%をB、91%~100%をCというグループに分け、Aの商品を重点的に管理する。

●ABC分析の目的
 ABC分析の目的は、主に次の2点である。

  • 事業を効率化して企業や店舗の経営力を高める
  • 実態に即した経営戦略を立てるインプットとする


 ABC分析によって得られる現状を確認して力を入れるべき商品や顧客層などを把握することで、事業を効率化して企業や店舗の経営力を高めることが可能だ。また、定点観測としてABC分析を実施し、実態に即した経営戦略を立てるインプットとしても活用されている。

●ABC分析のメリット
 ABC分析のメリットは、主に次の2点である。

  • 現状を可視化して把握できる
  • 時系列で施策の効果を測定できる


 例えば、在庫管理では「現在どの商品が売れ筋で、店舗の売り上げに貢献しているか」を明確にできる。売れ筋商品の在庫は切らさないようにしつつ、「あまり売れていない商品の在庫は減らす」「販売をやめる」といった検討も可能だ。

 売上高の内訳を数値化できるため、定期的な計測と比較が可能な点もABC分析のメリット。1か月ごとにABC分析を続けて、「対策を講じた後にどのような効果があったか」について測定し、次の対策を検討する場合にも利用しやすい。

画像
どの商品が売れているのか、ABC分析により現状を可視化できる
(Photo/Getty Images)

ABC分析の進め方と手順

 ここでは、ABC分析の進め方と手順について、例をあげて紹介していく。

1.ABC分類表を作る
 まずは、文房具店を例にとり、各売り場の売上高をインプットしてABC分類表を作ろう。完成したABC分類表のイメージは次の通りだ。

画像
ABC分類表のイメージ
(出典:筆者作成(※小数点以下四捨五入))

 手順は、次の5ステップ。

  1. 各売り場の売上高を算出して列挙する
  2. 全製品を売上が高い順番に並べ替え
  3. 上位から順番に累積額を計算
  4. 累積額から累積構成比を計算する
  5. 独自に決めたルールよりA、B、Cの3グループに分ける


 累積構成比の計算方法は、累積額÷総売上高(上図の場合343万円)×100で簡単に計算できる。ABCのランク付けは自由に決めることができるが、今回は大まかに60:30:10の割合でABCランクを付与した。

 今回は、売り場単位で分析を進めているが、もちろん売り場単位での各商品について同様にABC分析表を作ることも可能。売上高でなく、売上数量で分析したり各売り場の粗利率で分析したりすることもできる。

2.ABC分類表をもとにパレート図を作成する
 ABC分類表が完成したら、この表をもとにパレート図を作成できる。

画像
ABC分類表からパレート図が作成できる
(出典:筆者作成)

 売上高の降順でデータを並べてグラフ化し、累積構成比を棒グラフで表現するとパレート図が完成する。棒グラフの部分は、ランク別に色分けしておくと見やすい。このようにすることで、ランクAの売り場が明確になり、売り上げに貢献している売り場がわかる。

 売上高だけでなく、粗利も同じように分析すると、「売上が高くても利益に貢献している売り場は異なる」ということも定量的に可視化できる。

【次ページ】Excelを使った簡単なABC分析の進め方
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