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  • 2020/11/25 掲載

【IT投資動向調査2021速報】新規導入可能性1位は「5G」、2位~5位は?

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新型コロナウイルスの感染症の拡大を受けて、多くの企業がテレワーク環境の整備を急ピッチで進めた。現在は、そこで浮き彫りになった課題を基に、第二波、そして次の第三波に備えた対応策やビジネスに貢献するIT施策の検討を進めていることだろう。アイ・ティ・アール(ITR)が実施した「投資動向調査2021」速報値を基に、ウィズコロナ時代に加速すると見込まれる「デジタル化の潮流」「企業のIT戦略の方向性」の最新動向を同社シニア・アナリスト 三浦 竜樹氏が解説した。
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2021年のIT投資動向を調査から明らかにする
(Photo/Getty Images)

※本記事は2020年10月6日開催「IT Trend 2020(主催:アイ・ティ・アール)」の講演「ウィズコロナ時代のIT投資の道標~ 『IT投資動向調査2021』速報」をもとに再構成したものです。

企業のIT予算における「新型コロナウイルス」の影響は?

 ITRの「IT投資動向調査」は2001年より毎年実施されており、2020年で20回目となる。国内企業のIT戦略やIT投資の意思決定に携わる役職者を対象にWebフォームによるアンケート調査を2020年8月下旬から実施し、2667件の有効回答数を得た。

 調査結果を解説する前提として、ITRのシニア・アナリスト 三浦 竜樹 氏は、2020年4月に実施した「コロナ禍の企業IT動向に関する影響調査」における「新型コロナウイルスのIT予算への影響」に関する調査結果を示した。

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新型コロナウイルスのIT予算への影響に関する調査結果

 この調査結果によると、「新型コロナウイルスに対して特別予算の計上のみ実施、または予定」した企業は全体の1割弱にとどまっていた。また、「プロジェクト停止延期のみを実施、または予定」した企業も11%となった。最も多かったのが、「特別予算の計上、プロジェクトの停止延期の両方を実施、または予定」した企業で、全体の40%を占めていた。

 この結果を踏まえて、三浦氏は「在宅勤務などの緊急対応や特別予算の計上によってIT予算が増えたのか、それともプロジェクトの停止や延期によって予算は減少したのか」という視点からさらに解説を進めた。

今後取り組む予定は「社内文書の電子化」

 まず、多くの企業が取り組んだ「在宅勤務」の状況の推移を見ていこう。「IT投資動向調査2021」では、「コロナ以前」「緊急事態宣言期間(2020年4月~5月)」「2020年8月」時点における従業員の在宅勤務割合分布を比較している。それによると、在宅勤務者は緊急事態宣言期間中に急拡大した後、減少傾向を見せていることが明らかになった。

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従業員の在宅勤務割合の分布図

 たとえば、「20%以上の従業員が在宅勤務している」という企業の割合は、コロナ以前~緊急事態宣言中においては56%まで上昇したが、2020年8月下旬には52%まで減少している。一方、「ほとんど実施してない」企業は、コロナ以前は全体の65%を占めていたのに対して、緊急事態宣言中には19%まで減少し、8月下旬時点では、26%まで戻ってきている。

 次に、コロナ禍ではどのような対応が緊急で実施され、今後は何に取り組む予定であるかを尋ねた結果を見てみよう。

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コロナ禍で緊急で実施された対応策と今後予定している対応策の回答結果

 コロナ対応のために実施し、すでに完了済みの対策としては「テレワーク制度の導入」「コミュニケーションツールの新規・追加導入」「リモートアクセス環境の新規・追加導入」「PC・モバイルデバイスの追加購入追加支給」などテレワーク環境の整備に関するものが多かった。また、「採用活動のオンライン化営業活動」「商談のオンライン化」など対面業務のオンライン化を実施している企業もいた。

 一方、今後取り組む予定の対応策として最も多かったのが「申請書などの社内文書の電子化対象の拡大」「契約書などの舎外取引文書の電子化対象の拡大」だった。「昨今、ニュースでも取り上げられている“脱ハンコ”関連の取り組みが、今後期待されるということが明らかとなった」と三浦氏。

ニューノーマル時代に向けた、ビジネス戦略の取り組み状況

 続いて三浦氏は、「ニューノーマル時代に向けた取り組み状況」の調査結果を紹介した。実施済みの戦略として最も多かったのが「オフィスレイアウトの変更(ソーシャルディスタンスの確保)」(28%)であった。

 また、現在検討中/検討予定、あるいは準備中の施策としては「既存事業の見直し」(53%)、「柔軟な働き方に適した就業制度の見直し」(48%)、「組織の再編」「人材採用制度の見直し」(ともに47%)と続いた。

 三浦氏は、今後重要になると予想される分野として「顧客接点でのデジタル活用」を挙げた。Webやアプリ、AR/VR、IoT、AIなどの技術活用の検討準備が進んでいると説明した。

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ニューノーマル時代に向けた取り組み状況の回答結果

 続いて、同氏は「ニューノーマル時代のIT製品の導入状況と浸透期待」に関する結果を紹介した。それによると「オンライン研修」「オンライン商談」「オンライン面接・面談」などを自社で導入済みだという企業が3割前後となったことを明らかにした。

 一方、「電子契約・電子印鑑」は2割前後の導入率ではあるものの、今後の社会への浸透に対する期待値が3割を超えていることについては、「社会に浸透してからでないと、自社導入を進めづらいということを示しているのでは」と考察した。

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「ニューノーマル時代のIT製品の導入状況と浸透期待」の回答結果

コロナ禍によるDX進展への影響、「加速」が半数を占める

 コロナ禍では、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展にどのような影響を与えたのだろうか。同調査によると、「DXの進展が大いに加速する」と回答した企業は13%となった。また、「やや加速する」という回答が37%を占めており、「加速している」と捉えた企業が半数を占める結果となった。

 業種別に見ると、三浦氏は「一般的にITへの取り組みは進んでいる傾向が高い金融・保険、情報通信といった業種ではDXの進展が加速する捉えている企業の比率が高い」と説明した。

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「コロナ禍が与えるDXの進展への影響」の回答結果

【次ページ】今後も投資意欲が高い、上位5つの製品・サービス
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