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- 2019/10/25 掲載
「AI後進国・日本」が米中のイノベーションを模倣しても無意味なワケ
孫氏曰く「日本はAIの後進国。目覚めないとヤバイ」
2019年7月18日に行われたソフトバンクのプライベートイベント、「Softbank World 2019」。その基調講演にて、ソフトバンクグループの孫正義 代表取締役会長 兼 社長が「日本はAIの後進国。目覚めないとヤバイ」と言い放った。この言葉は衝撃を持って迎えられ、多くのメディアが報道した。ここで、総務省が毎年発刊しており、日本の情報通信の概況を把握することができる「情報通信白書」の平成30年度版に注目したい。この中の「AI・IoTの導入状況」で、はっきりとこう記載されている。
今後の導入予定の回答率を踏まえると、2020年以降は他国より遅れをとり、その差が開いていくことが懸念される
数値からも、他国と明らかに差がついていることは明白だ。ここにも「AI後進国・日本」が表れた結果となっている。
日本経済新聞朝刊の2019年9月14日の報道によると、主要企業の4割にあたる企業の研究開発費が過去最高だという。中でもAIやデジタル技術への投資に積極的だ。
一方で、米中企業の研究開発費の伸びはさらに先を行く。Strategy&社による「2018年グローバル・イノベーション調査結果」を見ると、世界の研究開発費ランキングトップ10は6位のサムスン以外すべて米国企業だ。
データで分かる日本の問題と活路
ところで、日本の生産性は決して高くはない。世界で見るとずっと20位で横ばいだ。一方、GDPは米国、中国に次いで世界3位に位置している。人口の多さなどの各種要因はあってのことだが、よく考えるとこれは不思議な現象にも感じる。もしAIなどの新しい技術で生産性を上げることができるのであれば、再び成長曲線を取り戻すことができるのではないだろうか?
【次ページ】米中のイノベーションは日本に合わないものが多い
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