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  • 2019/02/08 掲載

AWSなどの「オープンソースのいいとこ取り」に開発元が猛反発、続々とライセンス変更

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オープンソースソフトウェアの開発元がクラウドベンダへの不満を表明し、商用サービス化を制限するライセンス変更を行う例が続いています。
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Redis、MongoDB、Kafkaらが相次いで商用サービスを制限するライセンス変更。AWSなどクラウドベンダによる「オープンソースのいいとこ取り」に反発
(©BillionPhotos.com - Fotolia)
 高速なインメモリデータストアを実現するオープンソースソフトウェアとして知られる「Redis」の開発元「Redis Labs」は、2018年8月に同社が開発したRedis拡張モジュールに関するライセンスの変更を発表しました(Redis本体のライセンスはBSDライセンスのまま)。拡張モジュールには、全文検索を行うRediSearchなどが含まれています。

 変更後のライセンスでは、クラウドベンダによる商用サービスでの利用を制限するものとなっています。

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 ライセンス変更を発表した記事「Redis’ License is BSD and will remain BSD」では、クラウドベンダへの不満を次のようにストレートに説明しています。

Why make that change?

Cloud providers have been taking advantage of the open source community for years by selling (for hundreds of millions of dollars) cloud services based on open source code they didn’t develop (e.g. Docker, Spark, Hadoop, Redis, Elasticsearch and others). This discourages the community from investing in developing open source code, because any potential benefit goes to cloud providers rather than the code developer or their sponsor.

なぜ変更するのですか?

クラウドプロバイダはオープンソースコミュニティの特長を用いて、彼らが開発していない(例えばDocker、Spark、Hadoop、Redis、Elastisearchやその他)オープンソースのコードを用いたクラウドサービスを何年にもわたって販売し、(何億ドルもの)売り上げをあげてきました。
これは、コミュニティがオープンソースコードの開発に投資することを妨げるものです。なぜなら、そこで得られたはずの利益がコード開発者やそのスポンサーではなくクラウドプロバイダーへ行ってしまうのですから。

MongoDBはAWSの互換サービスを「お粗末な模倣」と

 2018年10月にはMongoDBのライセンスが変更され、商用サービスでの利用に制限がかかりました。

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 MongoDB社の共同創業者兼CTOのEliot Horowitz氏は、ライセンス変更を発表した記事「MongoDB now released under the Server Side Public License」で、その理由が大手クラウドベンダにあると次のように説明しています。

The revenue generated by a service can be a great source of funding for open source projects, far greater than what has historically been available. The reality, however, is that once an open source project becomes interesting, it is too easy for large cloud vendors to capture most of the value while contributing little or nothing back to the community. As a result, smaller companies are understandably unwilling to wager their existence against the strategic interests of the large cloud vendors, and most new software is being written as closed source.

オープンソースプロジェクトにとってサービスで得られる収入は、大事な資金源となり得ます。しかし現実は、あるオープンソースプロジェクトが人気になると、コミュニティにはまったく、あるいはほんの少しだけしか貢献していない大規模クラウドベンダがあっさりとその大部分を獲得していくのです。結果として、小規模な企業はこうした大規模クラウドベンダの戦略的な利益の対象になることを望まず、多くの新しいソフトウェアがクローズドソースとして開発されています。

 AWSは、このライセンス変更が行われた数カ月後、2019年1月10日にMongoDB互換のサービス「Amazon DocumentDB」の提供を発表しました

 このサービスで提供されるのは、最新のMongoDBのバージョン4.0ではなくMongoDB 3.6互換のAPIです。しかも内部的にはMongoDBをそのまま使ったサービスではなく、AWS独自のデータベースを基盤としてMongoDB 3.6 APIをエミュレーションしているとされています。

 こうしたことになっているのは、MongoDBのライセンスが商用サービスを制限するものとなっていることが影響している可能性があります。

 MongoDBのCEO兼社長 Dev Ittycheria氏は、Techcrunchの記事でAWSのMongoDB互換サービスを「お粗末な模倣」だとして、次のようにコメントしています。「十分な技術力のあるデベロッパーなら、本物とお粗末な模倣の違いをすぐに見分けるだろう。MongoDBは今後も引き続き、市場に存在するどんな‘そっくりさん’にも勝る性能を維持するだろう」

【次ページ】KafkaもAWSをきっかけにライセンス変更、オープンソース開発元が「影響力」を持とうとしている
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