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- 2018/04/23 掲載
早大 池上重輔氏らが語る、「急激な技術進化」への対応方法とは
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ワークショップでは、思考のリミッターを外す
池上氏:メガトレンド(=ビッグデータやナノテクノロジーなど業界横断で世の中に影響を及ぼす大きな流れ)を包括的に見ることに意味があると思いました。「AI」「ブロックチェーン」など皆さん個別には見ているのですが、「まとめて」見ることのインパクトが大きいですね。
日塔氏:ワークショップでは、メガトレンドとして約30枚の技術動向をまとめたカードを配り、その中から2枚をランダムに引いて、強制的に自分の所属する業界とつなげてアイデアを考えました。
池上氏:グループワーク前にそれらの技術動向をまとめて講演してもらう点が大きく、参加者が非常に楽しそうだったのが印象的でした。
単に面白いだけではなく、知的好奇心が刺激される場だったと思います。今回は2つを要素を組み合わせて発想させる形でしたが、実際のビジネスではもっとたくさんのメガトレンドを有機的につなげていく必要があります。
日塔氏:斎藤さんは講師として話していていかがでしたか?
斎藤氏:今回はトライアルでしたが、結果としては非常に面白かったと思います。プロセスの中では「合意」「発散」「集約」のフェーズを作ったのですが、「発散」のときには、やはり皆さん、最初はなかなかリミッターが外れません。「外せ、外せ」と言い続けると、だんだん外れてくる。だから、もっと時間をとった方がいいのかと思いました。
また、企業向けに行う場合は、「テクノロジーは進化するけれど、それでも変わらないバリューは何だろう?」というテーマを議論したいと思いました。
たとえば、テクノロジーが進化して、ろうそくがランプになって、ランプが蛍光灯になって、それが今はLEDになった。それでも変わらないバリューは何だったのか。それを考えるセッションも入れたいですね。
日塔氏:変化が激しいからこそ、逆に変わらないところに価値があるのかもしれません。
池上氏:人としての生き方、価値観というのは同時に見なければいけない。
先日、UAE(アラブ首長国連邦)のエグゼクティブが日本のビジネス・文化を学びに来日し、その対応を担ったのですが、日本の文化や価値観とUAEのそれを比較して考察する場を設けています。
このような議論がないと、日本に来て学んだことを、どのように自国の文脈に落とし込むかを考えにくいのです。
【次ページ】 かみ合わない議論に右往左往しない、ファクトの共有が大切
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