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- 2017/08/16 掲載
20周年を迎えたJANOGは、なぜ「自然な態度」で情報交換できるのか
#janog
ネットワーク関係者が「ビジネス抜き」に最新情報を共有
IT系の展示会といえば、各社が最新製品を持ち込み、売り込み合戦を繰り広げるさまを思い浮かべる人が多いのではないだろうか。JANOG Meetingにも展示ブースがあり、スポンサー各社が自社製品を持ち込んで展示していた。しかし、売り込み合戦という様相ではない。なんともいえない仲間意識を、展示ブースにさえ感じるのだ。ではまったくビジネスにつながらない技術勉強会なのかというと、それとも違う。エンジニアの勉強会は近年盛んに行なわれているが、そこでは参加者はいちエンジニアであり、所属企業の看板を背負っていることは少ない。それらに比べて、JANOGでは企業名がしっかり前に出ているのだ。どっちつかずと言えなくもないが、所属企業をゆるく背負っているという、エンジニアにとって一番自然な態度なのかもしれないというのが、筆者の感じた印象だった。
「参加者は多様です。エンジニアに学生、メーカーにサービス提供者。多くがインターネット業界で仕事をしている中で、JANOGの意義を感じてくれている人たちです」(日本ネットワークイネイブラー 石田 慶樹氏)
「JANOGも20年を迎え、初期にJANOGに参加していたエンジニアの方々が管理職に就き、部下のエンジニアに参加を促すことも増えてきました」(日本インターネットエクスチェンジ 齋藤 久美氏)
日本インターネットエクスチェンジ(以下、JPIX)と日本ネットワークイネイブラー(以下、JPNE)は、いずれもJANOG40 Meetingのホスト企業だ。JANOG Meetingは毎回立候補した企業がホストとなり、スポンサー集めから会場選定などを行なう。JANOG40 Meetingでホスト企業が2つに分かれているのは、JPIXがJANOG40 Meetingのホストと決定したあとに、石田氏がJPNEの代表取締役社長として異動したためだ。
舞台に福島県郡山市を選んだのは「風評被害への支援」
そんな中で東京に本拠を置くJPIXとJPNEがホストするJANOG40 Meetingが福島県郡山市で開催されたのには、もちろん意味がある。JANOG Meetingのホストを希望する企業は、数年先まで順番待ちになっている。つまり石田氏らがホストを願い出たのは数年前であり、その当時、まだ福島県は風評被害に晒されていた。いや、2017年の今も、大きく状況は変わっていない。
「東日本大震災で、東北は大きな傷を負いました。その中でも福島県は原発事故により大きな風評被害を受けていました。それに対する支援の1つとして、その地に行ってその地のものを食べて経済を回すことを考えました」(石田氏)
【次ページ】「郡山でよかった」と今になっては思う
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