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- 2016/09/29 掲載
カリフォルニア大学バークレー校の教授が「テスト採点」に使うAIとは
1つの解答を採点すれば、100人の採点に応用できる「AI」
Gradescopeは2年前に、カンニング防止を1つの目的とするこのアプリを会社として創設された。同社は、様々な大学の講座で出題されるおよそ10万項目の質問に対する1000万の解答サンプルを蓄積することで、採点プロセスをすでに50%短縮。これを支援するのが、並行して答案採点を行う複数のティーチング・アシスタント機能だ。GradescopeのAIは、答案の採点に直接使われているというわけではない。AIは、解答を識別して分類し、バッチとして処理することを学習することにより、答案採点を自動化し、反復性の高いエクササイズに転換している。
教師はフォト・マネージャに似たインターフェースを使って、自動的に提示された解答群が正しいことを確認し、各解答に解説を添えて採点する。このようにユーザからのインプットがAIの将来の予測能力を継続的に向上させるという。
「従来は、100人の学生に試験を行い、全員が正解を書いた場合、教員は100人の解答すべてに目を通して正解のマークを記入しなければなりませんでした。AIがサポートする採点では、1つの解答を採点すれば、それを100人の学生全員の解答に応用することができます」(カラーエフ氏)
Gradescopeの共同創設者で、2014年にコンピュータ・サイエンス博士課程を修了したセルゲイ・カラーエフ氏は、AIを採用することで採点時間は最大90%削減される見込みだと述べている。
カラーエフ氏は、AIの機能は3つの課題に対処することを目指している。1つは、多項選択式問題、空欄を埋める問題、記述式問題など、質問の種類を特定すること、2つ目は学生が多項式の選択肢を線で消して別の解答を選ぶときなど、記入したマークを識別すること、そして最後におそらく3つの中で最も難しいのは、手書きの記述を認識することだ。
最後の課題は、カラーエフ氏が指摘するように「有効な手書き認識エンジンがない」ため、Tesla K40とGeForce GTX 980 Ti GPUを使って、画像を取り込み、単語を出力するよう教え込んだリカレント・ニューラル・ネットワークを必要としたという。
【次ページ】GPU駆動のAIアプローチが有効性を示す
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