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- 2016/04/28 掲載
アップル、マイクロソフト、グーグルらが総崩れ、IT大手の決算がさえない理由
アップル:iPhoneの販売台数が初の前年割れ

CEO
ティム・クック氏
決算のポイントは大きく3つ。1つ目はiPhoneの販売台数の不振だ。今期は5120万台(予想は5150万台)と前年同期の6120万台から大きく減少した。
2つ目は、中国市場での減速が挙げられる。中国での売上高は26%減と初の減少に転じた(前期は14%増)。
3つ目は、新機種のiPhone SEが3月末出荷で、今回の決算には間に合わなかったこと。appleinsiderが報じたところによると、予想を上回るニーズにより、供給が間に合っていないとティム・クックCEOがコメントしたという。
ところが4-6月期の会社予想は、iPhone SEの上乗せがあるにもかかわらず、前年同期比13~17%減となっており、今後も厳しい決算が続きそうだ。
一方で、光明があるとすれば、「その他」部門。Apple WatchやApple TVは3割増、ソフト・サービス部門は2割増と好調を維持する結果となった。
アルファベット:大幅増収増益も市場予想を下回る

CEO
ラリー・ペイジ氏
今回から持株会社制に移行したことで、決算の開示方法が変更。中核となるグーグルの事業は200.9億ドル(16%増)、営業利益は62.7億ドル(20%増)だった。これを支えたのがYouTubeの動画広告だ。単価は下落したものの、クリック数は29%増となった。動画や音楽などのコンテンツ、ハードウェアなどの非広告事業は24%増となった。
スマートメーターのNest、光回線事業のGoogle Fiberなど、新規事業関連の子会社をまとめた「その他」部門の売上高は1.7億ドル(110%増)の大幅増となったが、同部門の営業損失は6.3億ドルから8億ドルに拡大した。
なお、グーグルでは、クラウド事業の責任者にVMwareの共同創業者であるダイアナ・グリーン氏をトップに据えたほか、同事業関連の技術者の採用を拡大している。
マイクロソフト:PC・携帯事業が大幅不振

CEO
サティア・ナデラ氏
減収減益の理由は大きく2つ。1つ目がWindowsライセンスの収入減だ。米IDCの調査によれば、PCの1-3月期の出荷台数は11.5%減。PC市場はすでに過去数年にわたって下落しており、底が見えない状況にある。新OSのWindows 10は27億台にインストールされるようになったが、その大半が無料アップグレードに過ぎない。結果、ライセンス収入は26%減となった。
もう1つがノキアから買収した携帯電話端末事業の不振。47%の大幅減収となった。
一方、「Microsoft Azure」などの「インテリジェントクラウド」部門は3%増、「Office 365」「Dynamics」などの「Productivity and Business Processes」部門は1%増と好調だった。マイクロソフトによると、Fortune 500の1/3が同社エンタープライズモビリティサービスを活用し、導入企業は3倍に増加しているという。Office 365のサブスクリプション数は2220万にまで増えた(前期は2060万)。
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