• 会員限定
  • 2016/02/16 掲載

日中トルコの企業トップが本音で鼎談、減速したといえ潜在力ある中国市場に向かうべき

  • icon-mail
  • icon-print
  • icon-hatena
  • icon-line
  • icon-close-snsbtns
会員になると、いいね!でマイページに保存できます。
厳しい競争環境の中、グローバルに勝ち抜く秘訣とは何か? また今後、中国を始めとしてアジア市場をどのように見て、どう攻略したいと考えているか──日本のアイリスグループ、中国のNetEase、トルコの家電メーカーVestel、各国を代表するグローバル企業のトップが本音ベースで真摯に意見を交換した。

ユニークなグローバル企業3社のトップが登壇

photo
左から藤井 彰夫氏、大山 健太郎氏、トゥーラン・エルドアン氏、丁 磊氏

 2015年11月に開かれた「第17回 日経フォーラム 世界経営者会議 2015」では、「沸騰アジア、市場開拓 次の一手」と題し、日本、中国、トルコを代表するグローバル企業がパネルディスカッションを行った。

 パネルディスカッションに登壇したのは、アイリスグループ 会長 大山 健太郎氏、トルコの家電メーカー Vestel CEO トゥーラン・エルドアン氏、中国のポータルサイト運営企業 網易(NetEase)CEO 丁 磊氏の3名だった。

photo
アイリスグループ 会長
大山 健太郎氏
 アイリスグループはアイリスオーヤマで知られる生活用品製造販売企業で、日本市場のみならず、東アジア、米国、ヨーロッパと幅広くグローバル展開を推進している。

 Vestelはトルコで"家電の巨人"といわれるメーカーだ。同社の創業は1984年。生活家電の製造を幅広く展開する、今やトルコからの輸出総計のうちテレビでは85%が同社の製品であるといい、ヨーロッパの液晶テレビ市場では、Samsung Electronics社に次ぐ地位を獲得している。OEMやODM(Original Design Manufacturing)にも熱心に取り組み、ヨーロッパメーカーや日本メーカーのヨーロッパ市場向け液晶テレビを引き受けている。

 一方、NetEaseは1997年に誕生した中国のインターネット企業だ。CEOの丁磊氏は創業以来、同国におけるインターネット開発において重要な役割を担ってきた。その鋭い洞察力と的確な決断力で、設立当初には従業員も10名にも満たなかった会社を、従業員11,000名を超え、米国NASDAQに上場する中国を代表するインターネット、オンラインゲームサービス提供企業にまで成長させた。

グローバル企業に成長した秘訣は何か

photo
日本経済新聞社
編集局次長 兼 Nikkei Asian Review編集長
藤井 彰夫氏
 このモデレーターを務めたのは、日本経済新聞社 編集局次長 兼 Nikkei Asian Review編集長 藤井彰夫氏である。同氏は最初の質問として、3社がここまで成長してきた秘訣を尋ねた。

 まず答えたのは丁氏だ。1997年の創業当時、同国のネットユーザーは50万人しかいなかった。インターネットで情報の伝達が速くなると思ったが、2000年にネットバブルが崩壊、投資してくれる会社が激減したという。そこで同氏はインターネットには広告以外のビジネスモデルはないのかと考えゲームを思いついた。当時、中国で人々がPCを購入するのはゲームで遊ぶためだったからだ。それが功を奏し、中国でトップ3に入るインターネットゲームメーカーになった。

 丁氏は、成功のカギとして2つの点を挙げた。1つは正しい方向に向かうこと、もう1つはその分野にフォーカスして力を集約して、最後までがんばり抜くこと。同社は15年間ネットゲームを開発し続けた結果、ナンバーワンになった、われわれを超える企業はいないと丁氏は胸を張った。また人材の重要さも十分認識しており、2004年から優秀な大学からの新卒採用を継続。それがクリエイティブで新しいアイデアを維持するのに役立ち、今や彼らが中堅幹部となって同社を支えているという。

 エルドアン氏は、ビジネスチャンスを正しくとらえるという丁氏の考えに賛成した上で、以下の3つのポイントを成功の秘訣に加えた。それは、夢を見ること、その夢を信じること、実践することだ。

 同氏自身、30年前にエンジニアとして夢を抱いてVestelに入社した。同社はポジティブでアグレッシブな社風であるという。たとえば取引先から短時間でモノを作れるかと問われても、"ノー"ではなく"考えてみましょう"と答える。そしてどうすれば実現できるかという観点で方法を考え、それに向けてさまざまな準備を進めるという。また、人材採用ももっと重視されてよい項目であるとし、10名平凡な人材を採用するより、1名優秀な人材を獲得した方が企業は繁栄するとエルドアン氏は語った。

 アイリスグループは蘇州に1社、大連に7社のグループ会社を設け、アイリスチャイナを形成している。大山氏がここでこだわったのは合弁ではなく100%独資とすることだった。またグループ会社のトップは、外部からリクルートするのではなく現地採用者を昇格により任命した。社員と目的を共有するとともに、信頼し、尊重することこそが成功の秘訣であると言葉に力をこめた。

【次ページ】 中国市場の今後をどのように見ているか
関連タグ タグをフォローすると最新情報が表示されます
あなたの投稿

    PR

    PR

    PR

処理に失敗しました

人気のタグ

投稿したコメントを
削除しますか?

あなたの投稿コメント編集

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

通報

このコメントについて、
問題の詳細をお知らせください。

ビジネス+ITルール違反についてはこちらをご覧ください。

通報

報告が完了しました

コメントを投稿することにより自身の基本情報
本メディアサイトに公開されます

必要な会員情報が不足しています。

必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。

  • 記事閲覧数の制限なし

  • [お気に入り]ボタンでの記事取り置き

  • タグフォロー

  • おすすめコンテンツの表示

詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!

詳細はこちら 詳細情報の入力へ進む
報告が完了しました

」さんのブロックを解除しますか?

ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。

ブロック

さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。

さんをブロックしますか?

ブロック

ブロックが完了しました

ブロック解除

ブロック解除が完了しました

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

ユーザーをフォローすることにより自身の基本情報
お相手に公開されます