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- 2015/06/09 掲載
GitHub共同創業者のScott Chacon氏が語る、GitHubはこれからどうなるか?
AWS Summit Tokyo 2015
この会場にいる人たちはこの10年でもっとも重要な人たち
GitHub, Inc.共同創業者 Scott Chacon氏。現在、あらゆる企業はソフトウェア企業だと言える。電気自動車を作っているテスラでさえ、製品のために多くのソフトウェアを作り続けているソフトウェア企業だ。
機械で行われていることが、これからどんどんソフトウェアに置き換えられていくし、いまソフトウェアで実現できていないことも、いずれできるようになる。
つまりこの会場にいる人たちは、この10年でもっとも重要な人たちなのだ。ソフトウェアがいかに動作するのか、それをどう作るのかを知っている人たち。これからのイノベーションに必要なひとたちなのだ。
オープンソースの世界を見ても、この10年で重要さが大きく増しているとともに大きな変化も経ている。
オープンソースへの貢献プロセスはGitHubで標準化された
古き悪しき10年前。Redmineの開発に貢献したいと思ったらどうすべきだったか? Webサイトの下の方までスクロールすると、パッチの送り方の説明が書いてある。それを読んだらソースコードをダウンロードして新しいコードを書く。
当時はSubversionで管理していたので元のコードとの差分を作ってパッチを作り、WebサイトにIssueを登録してパッチをアップロードして、メーリングリストやチャットでそのことを告知して、といった手順になる。メンテナもいちいち手動でパッチを取り込む必要があった。
こういった細かい手順があり、しかもこの手順はオープンソースソフトウェアのプロジェクトごとに違っていたから、別のプロジェクトではまた別の手順を覚えなくてはならなかった。
まだGitHubは存在せず、これが10年前のオープンソースの状況だった。
現在、オープンソースへの貢献は劇的に変わっていて、Githubの上で貢献のプロセスが標準化されるようになった。
これまでよりも迅速で簡単で、オープンソースへ関わる仕組み、参入障壁が劇的に改善されたのだ。
もっとも大事なのは、プロセスが標準化されたということ。ある程度学習は必要だが、いちど分かれば再度学習する必要もなく、メンテナがパッチの送り方をいちいち教える必要もない。
先月5月には、1カ月だけで180万ものプッシュが行われた。
【次ページ】 エンタープライズもオープンソースから学び始めている
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