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- 2015/05/01 掲載
ハイパーコネクティッド・コンシューマが主役、IoT+アナリティクスの3つの価値とは
2020年には260~300億のオブジェクトが接続される
SASでは各種リサーチ結果を元に、2013年にはインターネット上に70~100億のオブジェクトが接続されており、これが年率15~20%で増加して、2020年には260~300億のオブジェクトが接続されるようになると予測しているという。
たとえばグーグルの自動運転車は、「1秒当たりGB単位のデータを生成している」(北川氏)。これらのデータを活用することで、自動車部品サプライヤーはどのコンポーネントがうまく動いているか/動いていないかを事前に検知して部品交換を行ったり、あるいはカーナビと連携することで渋滞を回避したりということも可能になってくる。
「マッキンゼーによれば、自動車産業でIoT技術を広範に適用することで事故が防止でき、年間1,000億ドルのコスト削減が見込まれるという。IoTは現実に始まっているITの次のムーブメントで、これからますます社会やビジネスに大きな影響をもたらす可能性が高い」(北川氏)
IoT+アナリティクスにより革新的なサービスが登場してくる
しかしIoTによって得られるデータは、何もしなければただのデータの塊でしかない。このビッグデータは、Variety(多様性)/Velocity(頻度)/Volume(量)という3つのVで定義されるが、ここからインサイト(洞察)を得てアクションを起こして初めて、第4のVとしてのValue(価値)が生み出されることになる。「データを価値に変えることができるのが、アナリティクスだ。アナリティクスには3つの大きなバリューがある。1つめは、利益や成長のために“予期せぬ機会”を掴むことができること、2つめに、複数の機会が出てきた時に“行動に移す”能力を発揮できること、そして3つめが、すべててのアクションを企業全体の成果につなげることを支援することだ」
ここで北川氏は、IoT+アナリティクスによってもたらされるイノベーションの例として、テレマティクス自動車保険を挙げた。現在の自動車保険では、ユーザーが自己申告した走行距離によって割引率などが設定されている。しかし、車のIT化を実現するテレマティクスを使うことで、2つのアプローチ方法で保険価格を決めることが可能になるという。
1つめが「Pay-As-You-Drive」で、車に搭載されたGPSデバイスにより正確な走行距離を測り、それに応じた保険料を設定するというモデル、もう1つが「Pay-How-You-Drive」で、GPSに加え、車に搭載された加速度センサーによってコーナリングの仕方や急ブレーキをどう踏んでいるか、車線をどう変更しているかなど、運転の特性を把握して保険料を設定するモデルだ。特に後者の場合は、収集したデータを見ながら、運転のスタイルを改善するための指導を行うことも可能になる。
「今までアナリティクスは、主に現状をどう改善するかに利用されてきたが、今後はビッグデータを活用したアナリティクスを前提とする革新的なサービスが数多く見られるようになってくるだろう。アナリティクスをベースとしたサービス提供が始まる」
【次ページ】今後企業は「ハイパーコネクティッド・コンシューマ」について考えなければならない
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