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  • 2014/12/18 掲載

膨張するソフトバンクの中核にある思想とは? 意外と知らないソフトバンクの歩み

連載:ソフトバンク人材開発の秘密 vol.1

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「ソフトバンク」と一口に言っても、グループ企業を合わせると社員数は7万人を超え、今や単なるIT企業や通信事業者という括りに収まり切らない。無謀とも思えるスピードで急成長を遂げたソフトバンク、その核となる「人材」は、どのように生み出されているのだろうか? 第1回は、同社のブランド推進室・杉田 弘明氏に、ソフトバンクの事業や歴史を、社員の働き方などについて話をうかがい、その実像に迫ってみた。

「挑戦と進化」というキーワードに集約されるソフトバンクの歴史

──まずはソフトバンクのこれまでの歩みについて、簡単に教えていただけますか?

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ソフトバンク ブランド推進室 グループマネージャー 杉田 弘明氏
 杉田 弘明氏(以下、杉田氏)■ソフトバンクが設立されたのは1981年のこと。今(2014年)から33年前のことです。創業してしばらくはパーソナルコンピュータのソフトウェア流通や出版を中心に事業を展開していました。「ソフトバンク」という社名は、文字どおり「ソフトウェアの銀行」という意味で、情報化社会のインフラの役割を担う存在になる、という強い決意が込められたものでした。

 1990年代半ばから、インターネット時代が幕を開け、米国のYahoo!に出資したわれわれは1996年にいち早くYahoo! JAPANをオープンして、ネット事業に本格的に参入しました。2001年からはYahoo! BBにより、ADSLを軸にブロードバンド事業を展開し、安価で高速な通信サービスを国内に広げてきました。また2004年には日本テレコムがグループに加わり、ITインフラの整備も積極的に進めたのです。

 そして2006年にボーダフォンの日本法人を買収することで、モバイル事業への参入を果たしました。ソフトバンクでは、いち早くiPhoneを独占販売しました。そして昨年(2013年)、大手通信会社Sprintの買収に踏み切り、本格的に米国へ進出しています。

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ソフトバンクの主な歴史

──ほとんど類を見ないスピード感ですね。その中で、指針となるものは何だったのでしょうか?

 振り返ってみると、やはり「挑戦と進化」というキーワードにすべてが集約されると思います。「情報革命で人々を幸せに」という経営理念に基づき、デジタル情報革命によって世の中を良くしていくために、さまざまなチャレンジを続けてきたのです。

ボーダフォンの買収を迅速に決断し、固定通信事業から移動通信事業にシフト

──では、なぜソフトバンクは、ここまで急成長を遂げられたのでしょうか?

 杉田氏■われわれは、スピードを重視したマーケティングを実施してきました。特にボーダフォンの買収により、モバイルや携帯電話の事業に参入できたことが大きな契機になりました。2006年までは通信事業といえば、「Yahoo! BB」や「おとくライン」による固定回線ユーザーの拡充が中心でした。

──2兆円という当時最大規模の買収であったため、大きな話題になりましたね。ソフトバンクの資産に匹敵するほどの規模でしたが。

 杉田氏■そうですね。当時のボーダフォンは、NTTドコモ、auに多くの面で後れをとっており、業界3位に甘んじていました。そのためメディアにも「買収により大金をドブに捨てた」と揶揄されることもありました。

──しかし、そんな状況から現在のポジションまで成長を遂げた。どのような戦略があったのでしょう?

 杉田氏■買収直後の2006年の決算発表で、「お客さまに選ばれる携帯会社」になるために「営業/ブランディング」「端末」「サービス/コンテンツ」「ネットワーク」において、4つのコミットメントを行いました。

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「お客さまに選ばれる携帯会社」になるために発表された、「営業/ブランディング」「端末」「サービス/コンテンツ」「ネットワーク」分野での4つのコミットメント

 まず営業面では新しい料金プランに挑戦し、誰もが理解できる安くてシンプルな料金体系に改定しました。そして業界初となる「ホワイトプラン」を発表し、ソフトバンクの携帯電話同士であれば通話し放題(1時-21時)で、月額使用料980円という料金を実現したのです。これにより、料金が最も安いキャリアというイメージが定着しました。

【次ページ】 意表を突く斬新なテレビCMなどで、新たなブランディングを確立
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