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- 2014/01/28 掲載
GE副会長ジョン・ライス氏とロバート・フェルドマン氏のアベノミクスの評価は?
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評価されるアベノミクスでイノベーションは起こせるのか?
パネルディスカッションのモデレーターを務めたのは、プライムコーポレーション 代表取締役社長 の武部 恭枝氏だ。武部氏は最初の質問として、アベノミクスに対する評価を尋ねた。これを受けたGE副会長兼グローバル・グロース&オペレーション・プレジデント兼CEO、ジョン・ライス氏は、「慎重ながらも楽観視している」と述べる。
ライス氏は、アベノミクスの基本方針「三本の矢」のうち、1本目(大胆な金融政策)と2本目(機動的な財務政策)はある程度の成功を収めていると考察。また、3本目の矢(民間投資を喚起する成長戦略)は、さまざまな意思決定を必要とすることから「一番難しく、2~3年後に真価を問われる課題」としながらも、「安倍首相は難しい問題に対し、リーダーシップをもって果敢に取り組んでいるようです」と評価した。
「これまでなかったようなパートナーシップにも、積極的にチャレンジしようとしています。これも含め、私は日本の長期的展望に不安は抱いていません」(ライス氏)
そんな機運を逃すことなく、イノベーションで産業基盤を強化したいところだが、ではイノベーションを起こすにはどうすればよいのだろうか。
この質問に対して、モルガン・スタンレーMUFG証券 チーフ・エコノミスト兼債券調査部長、ロバート・フェルドマン氏は、「イノベーションは、不満から生まれます。不満が発想に変わり、具体的な製品へと昇華し、初めてイノベーションが完成するのです」と説明した。
しかし、現在の複雑化した世界で、たとえば基礎研究から事業化・製品化の流れを企業単独で賄うことは到底無理な話だ。そこで、フェルドマン氏が提案するのは、政府主導によるイノベーションを意識した社会インフラの構築だ。
「まずは、基礎研究の成果をすべての企業に公開する仕組みを作る。製品化の糸口を提供できることが重要です。もう1つは、起業することが得だと思えるルール作りをすること。既存の企業の既得権益をただ守るのではなく、むしろ競争を活かして国を守る。政府にはそんな新しい発想を受け入れてほしいですね」(フェルドマン氏)
【次ページ】 古い考えを捨てて新時代の考えを受け入れるのがカギ
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