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- 2013/03/08 掲載
GEの世界イノベーション調査:世界からの期待は4位も「非常に残念な結果」と米倉誠一郎教授
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まず、グローバルでの調査結果によれば、91%の回答者が「自社にとってのイノベーションは戦略的優先課題としている一方で、30%は「イノベーションの展開によって競争激化や製品の短命化を起こし、自国の経済に悪影響を及ぼす」との懸念を示す回答をした。
また、今後の会社経営に寄与するイノベーションとして、「新しいビジネスモデルの開発」を挙げる回答者が52%にのぼった。他社とのパートナーシップによるイノベーションも、全体の87%の回答者に支持された。このうち、パートナーシップの具体的な目的で挙がったのは、新技術へのアクセス(79%)、新市場への参入(79%)といった項目だった。一方で、「機密保持」(64%)などを理由に、協業に躊躇する回答者も少なくなかった。
一方、日本企業の回答結果については、米倉教授が本調査を読み解いて、その見解を発表した。
まず、「あなたの会社経営にイノベーションは?」との質問に、8割がイノベーションを戦略的優先課題として挙げつつも、大変重要な戦略的優先課題と答えたのは、29%にとどまり、米国の36%、ドイツの50%、韓国の37%、中国の55%、世界全体の44%から大きく乖離した結果となった。この点について、米倉氏は「大変残念な結果になった」と評した。
さらにイノベーションは「あまり、あるいはまったく戦略的優先課題ではない」とした割合が、日本だけ20%と突出して多かった。これに対して米倉氏は「イノベーション担当者とは思えない回答。イノベーションに対する感受性の高い人に総入れ替えするべきだ」と痛烈に批判した。
また、こうした問題は企業に限らず日本全体におよんだ。たとえば、「社会全体がイノベーションを支持しており、若い世代にイノベーションへの熱意があるか」という問いに対して、世界平均では77%同意しているにもかかわらず、日本では24%と驚くほど低かった。また、同様に政府援助や大学での取り組みについても評価が低く、「(教育に携わる)自分自身も反省するべき結果」(米倉氏)となった。
しかし、こうした日本人自身による悲観的な回答結果とは相反して、世界の回答者からの評価をみると、「イノベーションを最も牽引する国」では、米国、ドイツ、中国に続き、僅差で4位となった(ただし、前回調査では中国より上の3位)。また、「イノベーション環境の整備」では、ドイツ、米国に続き、3位となった。
国内の見方と国外からの見方で、著しい乖離が生まれる原因について、米倉氏が注目したのが、「企業のイノベーションを成功させるために重要な能力」についての回答結果だ。
【次ページ】日本人が過大に評価しているもの、過小に評価しているもの
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