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ノークリサーチは、2011年の国内中堅・中小市場における「ERP」製品のシェアや利用実態、ユーザー評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。調査の対象となった企業は、日本全国/全業種の500億円未満の中堅・中小企業。対象職責は、「情報システムの導入や運用/管理の作業を担当している」「情報システムに関する製品/サービスの選定または決裁の権限を有している」のいずれか。調査実施時期は2012年8月。1400社の有効回答を得た。
これら中堅・中小企業に対し、「導入済みの製品/サービスのうち最も主要なもの」を尋ねた結果、導入社数ベースのシェアは、OBCの「奉行新ERP/V ERP」、SAPの「SAP ERP/SAP Business All-in-One」、富士通の「GLOVIA smartシリーズ」の順で、2011年の調査と同じ結果になった。
「奉行新ERP/V ERP」は年商50億円未満での導入が主体だが、年商50億円以上においても1割程度のシェアを獲得した。ノークリサーチでは、年商50億円未満だけでなく、年商50億円以上の中堅企業にも訴求できている点が2011年に続いてシェア首位を堅持していることの一要因と分析している。
2位の「SAP ERP/SAP Business All-in-One」は年商50億円以上の中堅企業での導入が主体となっており、特に年商300億円以上の中堅上位層では他の製品/サービスと10ポイント程度の差をつけて首位となった。
3位の「GLOVIA smartシリーズ」は年商20億円以上の広い中堅・中小企業層でまんべんなく導入され、導入時期はやや古いものの、年商5億円未満の小規模企業においても若干の導入が見られる点が特徴となった。
また、導入済みのERP製品の主要なユーザーにおいて、端末環境を尋ねた。その結果、「スマートフォン」と回答したユーザーは、2011年の5.3%から9.1%に大幅に増えた。また、タブレット型端末と答えたユーザーは2011年の3.1%から2012年には6.5%とほぼ倍増した。
全体に占める割合はまだ少ないが、「スマートフォン」「タブレット型端末」共に前年から2倍弱の伸びとなった。ノークリサーチでは、まだ試用段階であったり、ノートPCや従来型の携帯電話でも実現できていた利用シーンに限られるものも少なくないと推測しながらも、ERPにおいてもスマートデバイスの利用が徐々に進みつつある兆候がうかがえるとしている。
そのほか主要製品の導入/サポート価格の妥当性、要件合致、プログラミングを伴わない機能の追加/変更のしやすさなどについても聞いている。
ERPの活用における今後の指針または重視事項については、「カスタマイズ部分と本体の階層を分け、カスタマイズ部分が影響を与えない仕組みの活用」、「ユーザー自身がグラフィカルに画面や項目を追加/作成できる仕組みの活用」などが高いスコアとなった。
ノークリサーチでは、BIやビッグデータについて、500億円未満の中堅中小企業ではERP活用の重要項目としてあがっていないものの、ビジネスインテリジェンスについては「工場現場で生産プロセスを監視し、その結果を現場が集計して効率改善に役立てる」といった現場レベルでの取り組みが既に存在していると指摘。
こういった「現場レベルでのBI活用」の動きについては今後の動向に留意する必要がある、としている。
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