- 2011/12/27 掲載
B2Bでもソーシャルメディアを使った顧客コミュニケーションが主流に
ソーシャルCRMの台頭に企業はどう備えるべきか
日本企業が抱える顧客関係管理課題
「顧客データはデータベースや各営業のExcelにストックされていますが、それをどう統合・整理し、自社のビジネスに貢献できる形にするのかが、企業にとって大きな課題となっています。顧客情報は、会社にとっての“資産”です。きちんとフォローアップすればするほど、資産としての価値は上がっていきますが、逆にほったらかしにしていると資産は目減りする一方です。いかにして顧客情報という資産を可視化し、最大化していくのかが今の企業にとって重要なテーマだと思います」
また、CDC Softwareジャパン セールスディレクターの樋渡徹也氏は、現在のビジネス環境にあっては、営業部門情報に加え、サポート部門による顧客管理も重視されてきていると語る。
「数年前から多くの企業が顧客情報を管理するためにSFA(営業支援システム)を取り入れました。しかし、今は当時とビジネス環境がまったく違っています。今はどの企業も日本では新規顧客の開拓が厳しい状況で、自社の既存顧客と良好なリレーションを築きながら、いかに他社の顧客をリプレースできるか重視されています。日本の企業は事業部や部門の縦割りが強く、部門を超えた連携が難しい場合もありますが、顧客との接触頻度が高いサポート部門がCRMツールを使って顧客管理を行うことで、サービス部隊と営業が上手く連携した顧客対応が可能になるのです」
CRM導入の成功には、利用定着化の施策が不可欠
「CRMに限らずソリューションの採用が決まったら、すぐに導入して運用したいと考える企業が多いのですが、CRMは業務プロセスや社内文化と密接に関係してくるソリューションです。段階を踏んで導入し、定着化を図っていかなければ、せっかく導入したCRMがうまく使われないという事態になりかねません。長期的な視点で、継続して改善していく運用を考えなければ、効果的なCRM導入は難しいでしょう。まずは顧客情報の“見える化”を行い、その上でCRMの定着化を図ることをおすすめしています」
また樋渡氏も、現場の社員が使いこなせるCRMにしていくためには、段階を踏んだ導入が不可欠であり、導入後の定着化に向けた施策が必要だと語る。
「明日からCRMを使います、と言われても現場はなかなか対応できません。現場のプロセスに合ったCRMにするためには、導入プロジェクトの中でフィット・アンド・ギャップ分析を繰り返していくべきでしょう。また、CRMの定着化に当たってはコンサルティングが重要となります。その際、ベンダーやシステムインテグレーターがコンサルティングをやるというのも選択肢の1つですが、やはり第三者の目線に立って、現状と合致するソリューションを実現していくコンサルティングをおすすめします」
とはいえ、コンサルタントに支払うコストを懸念する向きもあるだろう。そうした場合はどうしたらよいのだろうか?
「過去の事例の中では、企業のトップセールスマンを配置転換して導入プロジェクトのメンバーに抜擢し、CRM導入を成功させたお客さまがいました。社内で評価の高い営業マンを専業でプロジェクトに巻き込むことで、優秀な営業マンのプロセスやノウハウが共有され、かつ説得力も出るため、社内への浸透も早く進みます。営業の現場のプロセルが分かっている人が先頭に立つことは、CRM導入成功のセオリーと言えるかもしれません」
【次ページ】ソーシャルCRMは間違いなく定着する
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