• 2011/10/25 掲載

デスクトップ仮想化:導入時の課題、複数の技術を最適に組み合わせるコツ

ハイブリッド+周辺技術との組み合わせが重要

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いま、「デスクトップ仮想化」が注目を集めている。クライアントに一切情報を持たせないセキュリティ対策としてはもちろん、3.11を経て事業継続性や在宅勤務、サテライトオフィスを実現するテクノロジーとしても関心が高まっている。さらにタブレットやスマートデバイスなど、端末を選ばない業務スタイルに活用する企業も出てきた。一方で、デスクトップ仮想化を実現する技術は数多く、同じ社内でも使い分けが求められる。こうしたデスクトップ仮想化の課題を洗い出すとともに、導入を成功に導くポイントを考える。

再び注目を集めるデスクトップの仮想化

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アシスト
システム基盤ソフトウェア事業部
技術2部 部長
岡田昌徳 氏
 個人情報保護法が施行されたのは、2005年4月のこと。ノートPCの盗難・紛失による個人情報の流出を公開する必要が出てきたため、急速にメディアを賑わしはじめたのもこの頃だろう。「シンクライアント」など、クライアント側に情報を持たせない仕組みはセキュリティ対策には打って付けだった。ただし、当時はパフォーマンスや機能の問題から、特に日本においては特定の職種向けに普及したに過ぎなかった。

 しかし、ここにきて「デスクトップ仮想化」は再び注目を集めつつある。背景の1つは技術の進歩だ。特定のアプリケーションだけを仮想化して配信したり、仮想マシンをサーバ側で集中管理してデスクトップを配信するVDIなど、技術の進歩が目覚ましく、より業務にマッチして導入できるようになったこと。さらに、パフォーマンスも進化し、従来は物理環境でしかできないと考えられていた高負荷作業も行えるようになった。

 また、大手企業を中心にサーバ仮想化が急速に浸透した結果、次はデスクトップという気運が高まっている面もあるようだ。

 こうした動きについて、12年にわたって仮想デスクトップ関連事業に取り組んできたアシストの岡田昌徳氏は次のように説明する。

「デスクトップ仮想化が注目される理由は今もセキュリティがもっとも大きいです。クライアントに情報を置かないメリットは、昔から変わっていません。最近の傾向としてあげられるもう1つの理由は、ワークスタイルの変化です。3.11の東日本大震災以降、顕著な動きとしてみられ、弊社でも1割程度の社員は週一回のペースで在宅勤務をしています。さらに従来の携帯電話よりも劇的にユーザビリティが改善したスマートフォンやタブレットからアクセスしたいという要望もデスクトップ仮想化が注目される理由の1つと言えるのではないでしょうか。」(岡田氏)

デスクトップ仮想化を導入する際のポイント

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アシスト
システム基盤ソフトウェア事業部
技術2部 副部長
斎藤正雄 氏
 しかし、デスクトップ仮想化のメリットは理解していても、いざ導入を検討する段階になると、自社の業務に最適なテクノロジーの組み合わせを理解することは容易ではない。こうした企業に対し、アシストの中でも黎明期からデスクトップ仮想化に取り組んできた斎藤正雄 氏は、次のようにアドバイスする。

「我々がおすすめしているのは、業務を切り出して段階的に仮想化を進めるという方法です。たとえば、在宅勤務のようにこれまでやってこなかった業務から着手すれば、本来の業務へのリスクを抑えられます。業務を切り出してパイロット的に仮想化を進めていくことで、お客さまの業務に本当に適した仮想化テクノロジーが見えてきます。」(斎藤氏)

 実際に、アプリケーションの仮想化からスタートして、最終的にはすべてのPCをシンクライアント化した企業もあったという。この企業は、その後いくつかの吸収合併も経験したが大きなトラブルもなく、東日本大震災の際にも、通常とまったく同様に業務を継続できた。担当者はデスクトップ仮想化がなければ、この大波は乗り切れなかったとその意義を語ったという。こうした業務の柔軟性を確保できるのもデスクトップ仮想化の大きな魅力と言えよう。


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