• 2011/10/25 掲載

デスクトップ仮想化:導入時の課題、複数の技術を最適に組み合わせるコツ(2/2)

ハイブリッド+周辺技術との組み合わせが重要

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ハイブリッド+周辺技術との組み合わせが必要に

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アシスト
システム基盤ソフトウェア事業部
技術2部 副部長
伊藤雄介氏
 デスクトップ仮想化では、業務に合わせて適切なテクノロジーを適用することが求められる。つまり、一社の中で複数の仮想化テクノロジーが混在したハイブリッド環境が構築されることになる。

「企業にはタスクワーカーもいればオフィスワーカーもいます。アナリストもいるかもしれません。業務内容が異なれば、それに適した仮想化テクノロジーも異なります。多くの企業では、ほとんどのユーザーがファットな環境、つまり必要のないものが含まれた環境で業務を行っています。デスクトップの仮想化では、必要なデータやアプリケーションのみを提供したり、不要なものは利用させない仕組みが求められます。つまり、その人の業務の本質を見極める作業が必要になります。」(岡田氏)

 最近ではスマートフォンやタブレットをセキュアに利用する仕組みとしても、デスクトップ仮想化は注目されている。ただし、セキュリティを確保するためには、デスクトップ仮想化だけでは不十分で、他の技術も組み合わせる必要があるとアシストの伊藤雄介氏は注意を促す。

「デスクトップ仮想化は、クライアントにデータを持たせないという意味でセキュリティ対策の1つであることは確かです。たとえば、以前はオフショア開発でインドや中国にデータを出していましたが、現在はインドや中国から日本のサーバにある仮想環境にアクセスしてもらい、日本のサーバ内で開発する形態が増えています。しかし、こうなると、これまで以上に認証やログの仕組みを強化する必要があり、デスクトップ仮想化だけで完結するものではありません」(伊藤氏)

デスクトップ仮想化の落とし穴に落ちないために

 デスクトップ仮想化を支えるテクノロジーの進展はめざましい。たとえば、現在ではCADのような強力なグラフィックパワーを必要とするアプリケーションでさえ、仮想化して動かすことが可能となっている。このように多様な利用シーンが生まれたからこそ、経験が重要だ。

「12年間デスクトップ仮想化に取り組んできた中には紆余曲折もあり、その落とし穴も知っています。デスクトップ仮想化のメリットばかり見ていると、結果的にファットになったり、セキュアでなかったり、あるいは高コストになったりすることも珍しくありません。こうした経験は必ずお客さまへの提案に役立つものと思います。」(岡田氏)

 アシストはデスクトップ仮想化のベンダーとしては“知る人ぞ知る”存在だ。約12年にわたってデスクトップ仮想化を手がけ、400社を超える企業にソリューションを提供してきた。岡田氏が「最も重要なことは、お客さまに対して『いかに快適な業務環境を提供できるか』ということ」と語るように、テクノロジーありきではない提案を行えるのが強みだ。

 11月22日には同社の考えるデスクトップ仮想化のインフラと課題解決方法について、無料のセミナーが行われる予定だ。仮想デスクトップの前線に携わる6社によるパネルディスカッションが行われるのも見どころの1つ。これを自社のデスクトップ環境を見直すきっかけにしてみてはいかがだろうか。



(聞き手:編集部 松尾 執筆:井上健語)

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