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  • 2011/07/25 掲載

コストマネジメント思考法:真に利益を最大化するコストの見方(3) ~コスト適正化の「集約」と「集約を妨げる要因」

A.T. カーニー 栗谷 仁 氏/小崎 友嗣 氏

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「コストマネジメント思考法 ―どんな状況でも利益を生み出す」(東洋経済新報社)の著者であるA.T. カーニー 栗谷 仁 氏と、同社プリンシパル 小崎 友嗣氏に、真に利益をもたらす“コストマネジメント”について語っていただく本連載。第3回目となる今回は、コストを適正化する上で有効な思考法の中から「集約」とその実現手法、そして「集約を妨げる要因」への対処方法について詳しく伺った。

「集約」によるコストメリットが
競争優位性獲得の原動力になる

──今回からは、いよいよ実際のコストマネジメント思考法をお聞きしたいと思います。まず、コストマネジメント思考法で重要となるポイントについて、改めて教えて下さい。

 栗谷■第1回でも簡単に触れましたが、コストマネジメントでは、そもそもの必要性を判断する「必要性の判断」と、一度必要と決めたコストを適正化する「コストの適正化」の両方を考える必要があります。

 「必要性の判断」というのは、どちらかと言えば経営判断に関わる課題です。今回はまず、仕事で実際にコストマネジメントを行う際に直面する「コストの適正化」の方から詳しくお話しします。

 コストを適性価格にする上で必要な思考法として、大きく「集約」、「分解」、「統合」の3つがあります。今回はまず一番わかりやすい「集約」から見ていきましょう。コストは集約して固まりにしたり、1つにまとめることで削減効果が生じます。いわゆるボリュームディスカウント効果ですね。

 集約によってコストが下がる仕組みは、たとえば印刷などの装置産業的なサプライヤーを見るとよくわかります。印刷機のような生産設備は固定費ですから、稼働率が上がるほど印刷物1枚あたりのコストは下がります。この結果、顧客、つまり調達する側も低いコストで印刷物を調達できるのはもちろん、大口の顧客として割引を受けたり、顧客の中での優先順位も上がります。またサプライヤー、印刷会社の側も、大量ロットによる習熟効果や、材料費のボリュームディスカウントが図れるといった恩恵があります。

画像
図1■コスト適正化の場面での思考法(1)「集約」

この記事の続き>> 集約に向かないケースでは
             どのようにバランスをとればよいのか

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