アフリカに先行投資した企業にもたらされた
成長と利益の実績

　多くの経営者にとって、アフリカの天然資源がもたらす事業機会は馴染み深い。一方で、大きくかつ成長著しい「消費者層」がもたらす巨大な事業機会に気づいている経営者はまだ少ない。しかし、アフリカの消費財ビジネスは既に、グローバルな一般消費財企業に、成長と利益をもたらしている。

　A.T. カーニーがグローバル消費財企業の西アフリカにある子会社9社の実績を調査した結果、9社中8社で親会社より売上成長率が高いこと、かつ年平均成長率が平均2倍以上であることがわかった。また、同9社中7社においては、税引前利益の成長率もまた親会社より高かった。さらにこれらの子会社では、税引前利益の利益率も約13％という高水準に及び、親会社の利益率に迫るものであった。これらアフリカの子会社は成長に向けた先行投資であること、親会社は国内諸事業からの追加利益も得ていることを考慮すると、非常に注目すべきことだ。


　この目覚しい結果を後押ししているのは、基本的な経済要因と人口要因だ。多くのアフリカ諸国では、一人当たりの所得は依然として低いものの可処分所得は上昇しつつあり、新たな「消費者層」が育っている。同時に、人口動態の変化により、積極的に経済活動を行う人生のステージにある人口も増加している。アフリカの消費者に関する事業機会は、これまでさまざまな理由から見過ごされてきたが、もはや見過ごすことのできない機会になっている。